2004年度
image松下くんと安東米店の共同プロジェクト
松下×安米プロジェクトと名付けられたこのプロジェクトは静岡県藤枝市で有機栽培で米づくりに取り組む松下明弘さんと安東米店が共同で有機栽培による美味しい米づくりに取り組もうと2001年3月から始めたプロジェクトです。
ことの始まりは97年の夏、とある地酒研究会が縁で彼と知り合いになったのがきっかけだった。当時彼は酒造用好適品種「山田錦」の生産者としてはすでに全国的にも一目置かれるほどの米生産者だった。いっぽうその頃の僕は地産地消や有機農業に興味を持ち県内の農業経営者を訪ね歩く週末を送っていた。そんな時に彼と出会ったのである。
彼の農業哲学は「生物としてのあたりまえの営みを米づくりに生かしたい」につきる。野に生える野草は耕すこともなく肥料もやることなく花が咲き実をつける。青年海外協力隊員として赴任したアフリカエティオピアでの強烈な2年間の経験からだ。農業指導に行ったつもりが逆に指導されて帰ってきたとも振り返り「ニッポンの農業は機械や化石燃料がなければなにもできない貧しい農業、アフリカの農業は体ひとつあれば自然のサイクルの中で喰うに充分なほどの収穫がえられる豊かな農業」とも云い切る。現在日本の稲作生産者の多くが60歳台以上という中にあってそう云う彼と僕は同世代、意気投合するための時間は必要なかった。ただ僕にとっての唯一の不満は彼の米そのものだった。見た目はともかく食味は静岡で栽培されている一般的なお米の味と比べてもほめられるレベルではなかった。彼の信奉者達はその仕事ぶりを賞賛したが米のプロの目で見ると受け入れがたいものだった。とは云うものの毎年新米が獲れる頃になると「試食してくれ」と持ってくる彼の米が何の魅力もないほどつまらない米というわけではなく未開発ながら独自の何かがあるような予感はしたのだった。
2001年3月のある水曜日、彼から突然電話が入った。「今年これから栽培する米を秋に買ってくれないか」というものだった。高齢化による近隣稲作農家の減少・・・彼の事情はすぐに察しがついた。僕はすぐに了承したが条件を付けた。「僕に松下くんの有機栽培の過程を見せてほしい、そしていつか美味しい米になるための手伝いをさせてほしい」と、これが「松下×安米プロジェクト」の始まりなのである。
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2月26日号 新たなるプロジェクトに向けての巻
2月26日号 新たなるプロジェクトに向けての巻  2004年安東米店は地元静岡で新たな有機栽培米生産プロジェクトをスタートさせました。これはこのコンテンツでレポートしてきた藤枝の松下明弘さんと取り組んできた有機栽培米プロジェクト「松下×安米プロジェクト」での成果から静岡県内でもその土地に合う栽培方法さえ見出せば美味しく個性的な有機栽培米ができることを実感した...
2004年01月27日 [ 3677hit ]
1月16日号 冬の田圃にての巻
1月16日号 冬の田圃にての巻  「ご飯をきちんと出す店をやりたい!」と美術の世界に20年近く身を置いていた友人が一念発起。そこでお米のことを勉強したいということで週末を利用して東京からやって来た。「お米のこと」と云ってもどこから手をつけるべきなのか?栽培品種?炊飯技術?それとも・・・。しばらく考えた末、第1章は「稲という植物としての米」という...
2004年01月27日 [ 3487hit ]
12月31日号 大晦日に報告です。の巻
12月31日号 大晦日に報告です。の巻  現在22時27分。自室にこもりパソコンに向かっている。いつもなら紅白歌合戦を家族で観ているはずなのだが、最近忙しさにかまけてこのコンテンツの更新をサボっていたことが気掛かりだったことと、食味計による成分分析に出していた「松下×安米プロジェクト米2004(平成16年産)」の結果が今頃届いたのであと数時間となって...
2004年01月27日 [ 3916hit ]
10月19日号 ようやく入荷!松下×安米ヒノヒカリの巻
10月19日号 ようやく入荷!松下×安米ヒノヒカリの巻  イライラした顔がいつもの空色のオンボロトラックから降りてきた。そのイライラ面の男はやたらと急いでいる様子で倉庫に入るやいなや積荷の玄米を降ろし始めた。云うまでもなくこのイライラ面の男この松下明弘その人である。2004年平成16年産松下×安米プロジェクトの主力品種ヒノヒカリはこうして安東米店に入荷したのだ。 ...
2004年01月27日 [ 3494hit ]
10月10日号 収穫直前、台風22号襲来で一言。の巻
10月10日号 収穫直前、台風22号襲来で一言。の巻  よく田圃を見て「すばらしい自然の風景ですね」と云う人がいる。しかし田圃とは人工的な風景そのものである。では何故、田圃の風景を自然の風景と云わせたのか?それはそこに調和があるからだ。ただし調和を感じる田圃がどれだけあるだろうか? こんな大型台風が来るとあちこちで倒伏する稲をよく見かける。よっぽど猛烈...
2004年01月27日 [ 3599hit ]
9月11日号 ついに悲願の稲刈り体験会の巻
9月11日号 ついに悲願の稲刈り体験会の巻  今年で4年目の松下×安米プロジェクト。このコンテンツをご愛読いただいてる方はご存知だと思うが2年目の2001年から企画した「稲刈り体験会」は毎年、雨、雨、雨で3年続けて中止の憂き目に遭っている。おかげで松下くんに雨男呼ばわりされるほど僕は毎年この時期の秋雨前線にいたく気に入られている。そこで今年は土曜日を本番...
2004年01月27日 [ 3686hit ]
8月29日号 米の花は可憐だ。の巻
8月29日号 米の花は可憐だ。の巻  「ヒノの穂が出たよ」と松下くんから連絡が入り台風16号の影響で曇りのち雨模様の中、プロジェクトの主力品種ヒノヒカリの出穂した姿を見に出掛けた。前回訪れた時にはまだ茎の中にあった小さい穂が今はその生長し美しくなった姿を見せてくれている。早く出穂した個体ではもうところどころ花が咲いている。その白く可憐な花を見るには...
2004年01月27日 [ 3670hit ]
8月13日号 文句なし素晴らしい天候である。の巻
8月13日号 文句なし素晴らしい天候である。の巻  遠州森町の稲作生産者Hさん、掛川の友人、そして松下くんの田圃の3ヵ所を行脚するためにお盆休み初日の8月13日に出掛けた。予想どおり幹線道路はいつもより車は多め、しかし渋滞というほどではなくFMラジオを聞きながら調子よく西へ向かって走った。途中、掛川の友人の所に寄り昼食をともにしながら彼が仕事を依頼されているとい...
2004年01月27日 [ 3791hit ]
7月19日号 海の日は自転車に乗っての巻
7月19日号 海の日は自転車に乗っての巻  静岡では6月30日の観測史上に残る猛烈な豪雨を境に例年より早い7月初旬に梅雨が明けその後、毎日のように最高気温30℃以上の猛暑が続いている。昨年の今頃は雨・雨・雨・・・で結局梅雨明け宣言を聞かぬまま8月中づっと雨にたたられていた。そう考える近年の気象の極端な変動ぶりには少々気になるところだ。それでも稲はどんな環...
2004年01月27日 [ 3929hit ]
6月20日号 田圃の生命を見て米びつを考えるの巻
6月20日号 田圃の生命を見て米びつを考えるの巻  田植え体験会から3週間が経過した。その後、松下くんの田圃では予定していたすべての品種の田植えを完了し今ホッと一息ついたところだ。そんなノンビリ気分の日曜日に今年も豊年エビウォッチングをしようと恒例の水棲生物観察会を開催した。季節はずれの台風6号が迫る中、集まっていただいたのは大人子供あわせて15名の皆さん。悪天...
2004年01月27日 [ 4077hit ]
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