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7月19日号 海の日は自転車に乗っての巻

 静岡では6月30日の観測史上に残る猛烈な豪雨を境に例年より早い7月初旬に梅雨が明けその後、毎日のように最高気温30℃以上の猛暑が続いている。昨年の今頃は雨・雨・雨・・・で結局梅雨明け宣言を聞かぬまま8月中づっと雨にたたられていた。そう考える近年の気象の極端な変動ぶりには少々気になるところだ。それでも稲はどんな環境でもその年の気象にあわせて生長するのだからたいしたものだ。人間様がフーフー云っている猛暑の中、田圃を覗きに連休最終日に出かけた。

世の中が3連休と呼んでいる最終日の7月19日(月)昨年と同じ「海の日」に自転車で田圃へ出かけた。早朝の涼しい時間をねらって走ろうと計画したものの、気が付けば午前8時の大寝坊。慌てて朝食を済ませ出発したのは結局のところ午前9時だった。いつものように愛車の真紅のシクロクロスを旧東海道を西に向けて走しらせた。安倍川橋を渡り宇津ノ谷峠を目指す。いつもならこの峠を越えるには新旧4ルートほどある中の「大正のトンネル」と呼ばれるルートを行くのであるが、今回はサボって現代のメインルート国道1号線の「昭和&平成のトンネル」の中に設けられている自歩道を行ってみた。想像以上にあっけなくそのトンネルを抜けるとそこは岡部町。岡部町からは裏道&旧東海道を使って藤枝の田圃を目指した。向かい風でありながらも調子よくペダルを回し気がつけば田圃の近隣にいた。自転車のハンドルに備え付けた時計を見るとちょうど午前10時。家からたった1時間で到着してしまったというわけだ。いつも自動車で45分くらい掛かるのに自転車でたった60分ガソリン3〜4リットル(僕の自動車の場合)を使って走るのと、お茶碗一杯のご飯と味噌汁を燃料に走るのとの差がたった15分しかないとは、いかに無駄遣いをして地球温暖化に貢献しているか解ろうものだ。

あまりにも早く到着してしまったものだから旧東海道沿いに住む友人A君宅に立ち寄った。じつはA君はサイクリストなのであるが家業に集中するためにここ8年ほど趣味全般を封印していたのである。家の中に入るといつもの場所に封印されたイタリア製のオーダーメイドの自転車がビニール袋を被され鎮座していた。「田圃を見にきたの?」と彼が聞く。「そう、海の日は自転車で田圃へ行くんだ。そう決めたんだ。」とカッコ良く云ってみた。すると「僕もいっしょに行こうかな・・・」と彼。僕は嬉しい気持ちを必死におさえてこう云った。「じゃあタイヤに空気を入れなきゃな・・・」その瞬間、封印は解かれたのだった。走る様子はぎこちなくこれがあのイタリアンサラブレットかと目を疑ったが田圃に近づくにつれ少しづつではあるが様になっていった。田園地帯を風に吹かれて走る。日頃仕事にばかりに集中している彼しか知らない僕にとってはニコニコ顔で走っている彼を見るのは初めてのことだった。正直云えば彼にそんな一面があることなど僕はその時まで微塵も感じないほど彼は一年365日家業に没頭していたのである。

今回は田圃のレポートそっちのけで自転車のはなしばかりで恐縮です。すこし田圃のはなしをしましょう。今年松下くんに依頼しているのは品種は例年同様ヒノヒカリです。そのヒノヒカリを見る限りでも例年よりも1週間ほど生長は早いようです。ちなみにヒノヒカリより早く5月下旬に田植えした早生品種のコシヒカリは7月25日頃には出穂しそうな勢いです。そんな状態なので米の品質に重要な花が咲き実(米)が生成される期間の夜間気温が心配されます。熱帯夜と呼ばれる夜間気温25℃以上に起こるいわゆる高温障害が懸念さえるのです。松下くん曰く「今年は気温は高くてもよく風が抜けるから大丈夫だろう」とのこと、たしかに猛暑とはいうものの田圃には絶え間なく風が吹き暑さはさほど感じられなかった。気象庁の長期予想では9月も猛暑との予想だが「今年は案外秋が早いかもしれないゾ」とも云っていた。冒頭でも書いたが、稲はその年の気候に合わせて上手に育つ技を持っている。心配するのは日頃街中に住みテレビ漬け、エアコン漬けで空も見ない、汗もろくにかかないの生活を送っている者の無用の心配なのかなとも思った。

帰りはA君が子供時代遊んだという山際の小道に寄り道しながら宇津ノ谷峠までいっしょに走ってくれた。途中、山の切り通しにある古びた神社の境内の小道を通った時、「ここへ来たのは30年ぶりかな・・・」とA君、しばし考え深げにそこを振り返る。ほんの数時間の旅であるけれど自転車はそれを操る人間を瞬時に非日常の時空へと運んでくれるのだ。「また田圃まで走ろうぜ」と云い。峠の手前でA君と別れトンネルに向かってペダルを回した。

※8月にも自転車で田圃へ行く計画があります。店主同様の酔狂な方!募集中です。くわしくはメールください。



銀輪バカ


盛夏

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ヒノヒカリ

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葉色

 

今回のNOISY(ノイジー)

※ノイジーとは・・・
このコンテンツ2004のテーマは「この風味を作るもの」松下くんの手掛けるお米の持つ独自の風味の謎を探るキーワードです。くわしくは4月25日号「この風味を作るものは何か?の巻」をごらんください。

「ジャンボタニシ」である。ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)はもともと南米原産。食用のため養殖しようと輸入したがその後放棄されたため用水路や田圃で大繁殖してしまった。現在は有害動物に指定されている。そのタマゴは日本の風景には似つかわしくないどぎついショッキングピンク。近年では一時よりは繁殖は弱まったと聞くが松下くんの田圃ではこうしてたくさん生きている。しかし考えてみれば稲だって大昔どっかの誰かが食用のため大陸から運んできた輸入植物。ジャンボタニシもあと2千年もすれば田圃の原風景の一部となるのだろうか?いづ
「ジャンボタニシ」である。ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)はもともと南米原産。食用のため養殖しようと輸入したがその後放棄されたため用水路や田圃で大繁殖してしまった。現在は有害動物に指定されている。そのタマゴは日本の風景には似つかわしくないどぎついショッキングピンク。近年では一時よりは繁殖は弱まったと聞くが松下くんの田圃ではこうしてたくさん生きている。しかし考えてみれば稲だって大昔どっかの誰かが食用のため大陸から運んできた輸入植物。ジャンボタニシもあと2千年もすれば田圃の原風景の一部となるのだろうか?いづ
2004年01月27日 [ 3369hit ]
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