2009年度
imageアンコメ米作りプロジェクト2009

 安東米店では、地元静岡で米作りを専業とする藤枝市の松下明弘とともに、
「地元静岡らしい稲作」
「自分にしかできない稲作」
「この田圃にしかできないオリジナリティ」
を目指して2001年から米作りのプロジェクト、「アンコメ米作りプロジェクト」を行ってきました。
生産者の松下明弘は、自身が確立した独自の有機栽培技術(無農薬無化学肥料栽培)で約18年の実績がある有機JAS認定を取得している実力者です。その技術は年々磨きがかかり、2005年(平成17年産)以降は味、品質とも満足できる仕上がりと実感できるまでに成長しました。またそれと同時に、このお米は安東米店にとってなくてはならない人気ブランド米にまで成長しました。
しかしこのプロジェクトで生産されるお米は、当店が年間で販売するお米の全数量のたった5%にも満たない程度のわずかなものです。そんなわずかな生産量にも関わらず、当店にとって「お米とは何か?稲とは何か?」また「本物とは何か?」という問いに対して多くの知る機会を与えてくれています。
また生産者の松下さんも自らが栽培したお米と、全国から安東米店に入荷する様々なお米と比べることや、店主とともに全国に散らばる有能な生産者とも交流することで自らの稲作を客観的に判断する場ともなり、さらなる質の向上を図るという好循環ももたらしています。
そんなアンコメ米作りプロジェクトは今年でついに9作目。今年はこれまでにない大幅な改良を試みる挑戦の年になります。しかし目指すところは、さらなる質の向上と松下さんの田圃にしかできない風味風合いが、より表現できるよう米作りを展開することです。そのための挑戦です。

 このコンテンツでは、田圃と松下、そしてアンコメ(安東米店)が繰り広げる米を巡る思索の旅と同時に、栽培現場の断片からご飯に至るまでを、アンコメ店主の写真とともに独自の視点で熱くレポートしていきます。脱線だらけのコンテンツですが、どうぞよろしく!

関係者プロフィール

松下明弘(まつした・あきひろ)
1963年生まれ、81年藤枝北高卒業。88〜90年の2年間青年海外協力隊に参加、東アフリカのエチオピアで野菜の栽培指導を行う。帰国後、父親の他界を機に専業農家となり実家の圃場で有機無農薬栽培による米栽培をはじめ現在に至る。2001年JAS有機認証を取得。巨大胚芽米カミアカリ(2008年3月6日品種登録)の生みの親でもある。
長坂潔曉(ながさか・きよあき)
1963年生まれ、88年武蔵野美術大学工芸工業デザイン科卒業。90年家業の安東米店に入店。97年松下明弘さんとの出会いから「田圃からお茶碗まで」というテーマで米を捉えるようになる。以降、栽培〜販売〜炊飯までのすべてを視野に入れた米屋のあり方を模索している。2004年五ッ星お米マイスターを取得。2007年巨大胚芽米カミアカリのための勉強会カミアカリドリームの代表を務める。

ホトケノザ。
ホトケノザ。 アンコメ米作りプロジェクト米の田圃は隣町の藤枝である。月に1回ないしは2回は見に行く。生産者である松下が居ても居なくても、それは変わらない。 昨夏、藤枝市内に大口のお客様ができたことで、藤枝通いは以前より多くなった。そのおかげで、田圃の微妙な変化が以前より、より多く捉えられるようになった。 前回訪れた1月は気温4度、強風で体感温度はさらに...
2010年02月08日 [ 7342hit ]
定点観測
定点観測 先日、藤枝へ行った時に松下圃場に立ち寄った時の別のカット。ここはいつも定点観測している場所で、栃山川沿いにある「あさひの夢」の栽培田である。数ある松下圃場の中にあって、もっともお気に入りの場所である。奥に見える2本の落葉広葉樹と田圃の移ろいを一年を通じて眺めている。季節の流れ、一年を感じる。いつ来て見ても同じ眺めはない。今年も一年、楽し...
2010年01月19日 [ 6778hit ]
寒風の中
寒風の中 店主でございます。 今日は隣町藤枝へ配達。配達先へ無事お米をお届けしたら、松下圃場へ。今年初の田圃視察です。外気温は4℃、温暖な静岡でもこの寒さは堪えます。 日本海側で雪を降らせた寒気は日本アルプスを越え、太平洋側にビュービューと吹き荒れる頃にはすっかり乾燥しています。その風を使って遠州地方で作られているのが、芋切干しです。そうそう、...
2010年01月17日 [ 7406hit ]
10月19日号 マジックロジック。
10月19日号 マジックロジック。 直径5センチほどの筒を田圃に刺し、深さ10センチほどの深さまでの土壌を採取する。一枚の田圃で5ヶ所ほど場所を変えて採取していた。左から松下、中がHさん、右がIさん。Iさんは雑草や田圃環境についての本を何冊も書いている。地元新聞にも時々現れるのでご存知の方もいるかもしれない。 「Hさんって知ってるだろ。来るんだよ。今度の月曜日に・・・」 収穫したば...
2009年10月19日 [ 3636hit ]
9月27日号 稲刈り中盤。
9月27日号 稲刈り中盤。 ヒノヒカリの葉である。稲の葉色は稲の生育状態のバロメーター、10日前とは見違えるほど色が抜けた。あと2週間ほどで収穫の時期を迎える頃には黄金色となる。もう少しである。 松下の田圃では、いよいよ稲刈りも中盤である。残こすところ、あさひの夢、ヒノヒカリ、そして酒米山田錦の3種となった。このうち、あさひの夢と、ヒノヒカリの2種が、アンコメ米作りプロジ...
2009年09月27日 [ 3848hit ]
9月6日号 いよいよ早生から収穫スタート。
9月6日号 いよいよ早生から収穫スタート。 スカッと明るい清々しい姿のこの稲は巨大胚芽米カミアカリ。密植しない上に、茎数が少なかったので余計にそのように見える。姿から感じる質は、かなり期待できる。 気がつけば9月、吹く風に湿気がなくなり、朝晩の気温がぐっと下がる。思えばこの間、田植えをしたばかりかと思ったらあっという間に収穫の季節。時間の経つのが早く感じるのは年齢のせいなのか?ここ...
2009年09月06日 [ 3566hit ]
8月26日号 気温、日照、稲の姿。
8月26日号 気温、日照、稲の姿。 8月20日あさひの夢。ちょうど出穂(穂が出る)直後。お盆くらいから夏が帰ってきた。日照を浴びる稲の姿をじつに気持ちいい。 7月から隣町の藤枝へ月に2〜3回配達に行く仕事ができた。どんぶりの専門店、外食の新規のお客様である。この仕事のおかげで、松下の田圃の様子を頻繁に見ることができるようになった。以前なら1ヶ月に1回がせいぜいだったが、10日に1回見る...
2009年08月26日 [ 3749hit ]
7月5日号 ハーフデイアグリツアー水生生物観察会。
7月5日号 ハーフデイアグリツアー水生生物観察会。 これが目当ての参加者が多い人気の豊年えび(ホウネンエビ)。この時期数週間出現して消えていく。その卵は環境条件が整うまで長期間の乾燥にも耐える。その秘密は、卵に含まれるトレハロースにあるとのこと。今から20年近く前、この田圃が農薬と化学肥料を使用していた時代には見られなかったが、有機農法に変えた年から出現した。卵たちは、環境条件が整うまでの長...
2009年07月05日 [ 3548hit ]
5月24日号 栃山川再考。
5月24日号 栃山川再考。 松下も今日が移植作業(田植え)初日。これから約一ヶ月間、早生品種の「カミアカリ」からスタートして晩生品種「山田錦」まで、苗作りと平行しながら7〜8種の稲品種を移植していく。2月の終わり頃から作業をはじめてあっという間に4ヶ月、移植が終われば後は稲任せ。世話を焼けるのもあと1ヶ月ほど、「田植えは始めの終わり」なのだ。(画像は補植作業中の松下) 気...
2009年05月24日 [ 3733hit ]
4月23日号 種まきと完売20年産。
4月23日号 種まきと完売20年産。 筋まき式の種まき機で苗床を作っていく。絶妙な水分量をコントロールできる吟味した山土にパスタマシンと同様の方法で幾重もの筋が引かれていく。直後、その筋上にパラパラと種籾が蒔かれていく。と同時にPHを調整した酢水がかけられ、そのまた上に薄く布団を掛けるように山土がやさしく掛けられる。全工程30秒も満たない時間で一枚の苗床の種まき完了する。それを...
2009年04月23日 [ 3540hit ]
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