御神火竈製作 6
伊豆高原にあるGAKUSHAで製作している竈(かまど)「御神火竈(ごじんかかまど)」が11月15日無事完成した。溶岩石を積んだだけのように見えるその荒々しい姿は一見すると竈には見えないかもしれない。目の前にそびえる大室山を模した形状、素材となる溶岩石も大室山由来の足元にあるものを利用した。また竈内部はまさに火口、設計段階のイメージよりも、はるかにリアルに仕上がった。その完成した御神火竈に真新しい鋳物の羽釜を置いてみる。羽釜が水平になる位置に置くと、羽釜の羽と竈の縁にわずかな隙間ができる。じつはこれは排煙用で煙突の役目をする。正確には煙突のようなドラフトはしないはずなので煙突の役目というのは荷が重いことだろう。けれどその隙間こそ、この原始的な構造の竈の肝になる部分なのだ。燃焼設計をした小谷氏はこの隙間に、わずかながらドラフト風情を吹かせようという魂胆だった。全くもって酔狂だが、デザイン設計をした長坂の無理難題を彼なりに理解し、できるだけ理想の燃焼をするよう考えた結果がこれであった。さてこの竈のお披露目となる初竈開きは来年2021年2月、大室山の山焼きに合わせて行う予定だ。御神火竈で炊かれる御飯や如何に!
( スイハニング事業部 / 【掲】スイハニング事業部 )
2020年11月18日 [ 1580hit ]