御神火竈製作 5
伊豆高原にあるGAKUSHAで製作している竈(かまど)「御神火竈(ごじんかかまど)」、8月の製作から一か月後の9月23日、躯体部分のモルタルが固まったことを確認し、治具を撤去するために火を付けた。コンパネ材で作られた治具はみるみるうちに燃えていく。じつはこの作業、燃焼テストも兼ねていたので燃えていく火の動きをじっと眺めていた。すると小谷氏がニヤリと笑ってこう呟いた。「空気、ちゃんと吸い込んでますね・・・」釜口以外に斜めに2本ある空気導入用のシャフトから入ってくる空気の流れに沿って揺らぐ炎が見えていた。燃焼設計をした小谷氏の設計通りに燃えていたのだ。これが確認できれば一安心、けれど念のためテスト炊飯もしてみることにした。準備しておいた薪で米2升を炊いていく。炊きながら火の廻り、煙の出方などを観察しながら釜内の温度変化と沸騰までの時間など計る。そこからこの竈の特性を類推していくのだ。「竈自体が暖まるのにけっこう燃料を使うかも・・・けど暖まってしまえばかなり燃費がいいかも・・・冷めた状態の一発目は薪を多めだな・・・蓋を付ければピザ窯にもなるな・・・」などど、とりとめのない会話を炊き上がるまでの間ずっとしていた。15分間の蒸らしが終わり、釜の蓋をあけると一昨日収穫したばかりの令和2年産の新米が光り輝いていた。
このレポートはgakushaFBページから転載したものです。
( スイハニング事業部 / 【掲】スイハニング事業部 )
2020年11月17日 [ 1543hit ]