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旅する羽釜 9 最終回
 
 
2013年7月8、9日、フランスのシャンパーニュ地方にある中世の古城、フェール城で行われた能フェスティバルに参加し、羽釜スイハニング(炊き)し、おむすびをつくってきました。これはそのレポートです。
 
 
旅する羽釜 9 最終回
 
 
22時、日が暮れてきた。
辻くんら舞台製作チームらと美酒に酔い、このまま朝まで・・・
と、行きたいところだが今晩中にランスへ戻らなければならない。
タクシーが来るまでにダッシュで撤収しなくてはならなかった。
 
釜洗いを洗い方、田中隊員に任せ、僕は釜戸の片付けをした。
集め過ぎた薪(笑)を、もとの場所へ運び、ブロックももとの場所へ運ぶ。
23時すっかり暗くなり、ポケットから懐中電灯を取り出し口にくわえて
釜戸のあった場所の灰の上に砂をかけ元通りに整地した。
 
立つ鳥跡を濁さず。
 
ESI隊員としてスイハニストとしてちゃんとせにゃ!
と、ブツクサ言いながらヘロヘロになりながら片付けをした。
 
羽釜としゃもじ、ボールとザル、計りをスーツケースしまい撤退の準備完了。
気づいたらものすごくお腹が減っていた。
スタッフ用の食事がシャトーから運ばれるやいなや、とにかく喰った。
何を食べたか覚えていないがあの軟水のペットボトル片手に喰ったことは覚えている。 
 
タクシーがやって来て、荷物を積み、辻くんら舞台製作スタッフやKさんに手を振って別れた。 
朝来た道はすっかり暗くなっていてフランスに来てはじめて星空を眺めた。
タクシードライバーはおじさんで、何も言わずにラジオの深夜放送を聴いていた。
フランス語でもあの雰囲気はニッポンのそれと同じに聞こえた。
我々4人はいろんな話しをしていたはずなのだが、僕にはこれもまた何も記憶がない。
興奮は一瞬のうちに過ぎたが、その余韻に酔ってる感じがした。
そして深い眠りに落ちた。
 
翌朝、あの美味しい朝食を済ませたあとにノートルダム大聖堂へ行った。
そしてミッション成功の報告をした。
学生の聖歌隊が歌うポピュラーミュージックが成功を祝福してくれてるようだった。
こうしてESI初の海外ミッション、フェール城スイハニングは、紆余曲折しながらもなんとか無事やり遂げることができた。
 
何のために羽釜持ってまでフランスまで行くんだ?と言う友の問いには、まだしっかりと答えることができない。
しかし、なんとなくだが、新たな何かを生み出すための旅になる予感がしている。
それがどんな景色なのかは今はまだはっきりしていないだけだ。
けれども、僕のテーマである「田んぼからお茶碗まで、その先へ」
つまり、「稲を育て、米を商い、飯を喰い、そして人となる」
このとても素晴らしい営みを言葉や文字を使わず説明できるとすれば、
酔狂とはいえこれは粋で楽しい作業であったと自負したいのだ。
きっとまた羽釜が世界を旅するだろう予感とともに。
 
 
おしまい。
 
 
 
このミッションの成功にご協力いただいた多くの関係者の皆さまへ。
この場を使って感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
 
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画像:旅する羽釜、フェール城にて。
 
2013年08月04日 [ 7127hit ]
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