一年先の準備。
気づいたらあっというまに3月、
昨年はこのコンテンツ、あまり更新できてないことにを反省しつつ今キーボードに向かっている。
3月8日今年2度目の田んぼ、
訪ねてみると25年産に向け作業がはじまっていた。
作業場の前で大型の自作のアルミ製バケットをつけたフォークリフトで育苗土の天地換えをしている。
よくよく聞けば、この土は今年使うものではなく26年産、つまり来年用だという。
昨年の夏に毎年使っている県内産出の良質山土に微量の有機肥料を混ぜ合わせ、
冬の前に一度天地換えし、今またこうして同じ作業をする。
フレコン内に密閉され半年間寝ていた土の表層にはカビ菌などの好気性菌(空気を好む菌)がわずかだけ繁殖が見られる。
育苗土にとってはご法度のこれらの菌も
天地換えし攪拌するたびごとに微量の肥料成分(魚粉)と糠を混ぜわわされることで
乳酸菌が活性しカビ菌が滅菌されていくというわけだ。
来年の今頃には育苗土としてコンディション良好の土が完成し4月の種蒔き時期に実践投入というわけだ。
― 田んぼに苗を植えるまでが農家の仕事!
と松下が口癖にように言うとおり、
農家の仕事とはこのような地味で気の長い基礎仕事の集積といっていい。
ケミカルに頼ることができれば、ある程度は後で帳尻を合わせることもできよう。
しかしそれをしない方法を選んではや数十年。
今や松下にとって、これら微生物がらみの仕事こそ一番の楽しみのように僕には見える。
一年先の準備がはじまっているということは、
25年産の仕事は、とっくにはじまっていたのです。
というより、仕事に切れ目のないのだ。
生きてるかぎりずっと。
<追記>
この記事をアップロードした次の日に、これを見た松下さんからこんなメールあり。
↓
こないだの育苗土は今年の春に使う分です。26年分ではありません!
というわけで、2013年レポート最初からこんな調子ですんません。^^;
ただ、仕事に切れ目なく、つねに未来に向かって粛々とやっている。
そういうことをお伝えしたいのであります。(長坂)
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画像上:自作のアルミ製のバケットを取り付けたフォークリフトで攪拌作業。
画像中:フレコンに詰め替え状態を確認。
画像下:密閉を解いたばかりのフレコン。右に白く見えるのがカビ菌のコロニー。少し掘るともうカビ菌はいない。
( アンコメ米作りプロジェクト / 2013年度 )
2013年03月18日 [ 6052hit ]