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9月24日号 2つのオプションの巻

 日頃、家庭サービスなんて縁のない悪業親父の私が、珍しく娘を連れて朝から出掛けた。出掛けた先は、娘が大好きな隣町焼津市にあるプラネタリウム。こんなことを書くと友人たちの多くはこう言うだろうと想像される。
「ありえないそれはウソだ!」
いえいえウソではありません本当の話しです。でも娘にはナイショですが、私にとってこのお出掛けは2つの重要なオプション付きだったのです。

 その2つのオプションとは、
1.プラネタリウムの星空の下での大名昼寝
2.松下くんの田圃を見に行くこと。

 「そんなことだろうと思った・・・」。
またもや友人たちの声が聞こえそうである。まあ貧乏性なヤツだと思ってお許しいただきたい。
そんなわけで、無事娘の目的(と私のオプション1)を果たし、藤枝の松下くんの田圃へ向かったのだった。

 焼津から藤枝への路上は、その昔大井川の広大な氾濫原だったところで、江戸の中期以降の新田開発で、志太平野と呼ばれる大穀倉地帯を形成していったところだ。現在はその姿も、ベットタウン化や工場用地、あるいは大規模商業施設が増え、残念ながら見渡す限りの田園という風景ではなくなってしまっている。しかし部分的には、往時を思わせる風景も各所に点在していて文献片手に散策する人もある。私もまたそんな一人ではあるのだが。

 志太平野を木屋川や栃山川沿いに縦断し、オプション2である松下くんの田圃に到着する頃には晴れ渡った空模様から一転、明日は雨かなと思わせる曇天にいつの間にか変わっていた。
写真を撮るには、このくらいに光のほうがちょうどいいな、とは思いつつも、彼岸が過ぎ明らかに夏が終わったことを感じさせる光の色に、ほんの少し寂しさも感じたりもする。
目で見るよりも美しく見える魔法のレンズを付けたカメラのファインダー越しに見えるヒノヒカリの姿は見るからに順調だった。8月の猛暑のため例年よりも追肥を大幅にセーブして育てたおかげで、まるでアスリートのように締まった体格である。全体的にはだいぶん色抜けしたとはいえ、まだまだ青さもあり登熟の最終段階に入っているのがわかる。

 しばらくの間、私がニヤニヤしながらシャッターを押していると、娘が畦端でつまらなそうな顔でこちらを見ている。
「まずいぞ・・・」
そんなわけで、これが親父のメインイベントであることがばれないうちに、そそくさと帰路に着くことにした。そんなわけで、今回は園主松下くんとは、結局会わず仕舞いに終わってしまった。残念ではあるが、これはあくまでもオプション、と自らに言い聞かせるダメ親父であった。

 


あと2週間ほどで収穫。枝梗(しこう)はまだ青い。最終段階のヒノヒカリ。
あと2週間ほどで収穫。枝梗(しこう)はまだ青い。最終段階のヒノヒカリ。
2006年01月28日 [ 3617hit ]
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