2月に入ったらいつのまにやら日が長くなった。忙しく走り回っていた12月頃のことを思うと夕方5時半くらいまで明るいのだから配達業務の多い僕らのような商人には大助かりである。
この頃になると、そろそろ新年度のアンコメ米作りプロジェクトの計画を始めないとまずいな・・・なんてちょっと焦ったりする。僕がそう思うのだから、現場をやっている松下くんや高野くんも同様であろう。そんな風に思っていたら7日に高野くんが現れた。彼もまた2006年平成18年産栽培プランの相談をしたくてやって来たのである。
あらかた高野くんの計画を聞いた後、僕の方からこんな計画の提案をしてみた。
それは昨年までの早生「コシヒカリ」、中生「あいちのかおり」に代わって早生の栽培を減らし、これまで主力として栽培していなかった晩生品種を栽培して全体の栽培スケジュールを中生から晩生よりに移動するというものだ。
これは8月中下旬頃に収穫期を向える早生品種の品質(食味も含めた)よりも中生から晩生にかけての品種のほうが、松下くんとやってきた過去5年間の経験から成功例が多かったためだ。具体的には9月下旬収穫の中生「あいちのかおり」、10月下旬収穫の晩生「ハツシモ」という布陣だ。米の品種に詳しい人ならピンとくるであろうと思うが、「ハツシモ」も「あいちのかおり」と同様、旭系品種で、その食味は旭系では群を抜いている品種だ。現在では主に岐阜で栽培されている優良品種でもある。
高野くんは昨年の「あいちのかおり」にある程度の手応え(カメムシ被害を除いては)を感じていたことから、「あいちのかおり」の親でもある「ハツシモ」の栽培を提案したのである。じつを云うと僕の密かな計画として、将来高野くんには旭系栽培のエキスパートになってもらいたいと考えているのだ。そんなことから、晩生をやるのであれば「ハツシモ」という名が出たのは僕にとってごく自然なことなのであった。
高野くんもこの計画には乗り気で、種籾確保や育苗などで問題がなければ18年産高野×安米プロジェクト米は「あいちのかおり」と「ハツシモ」の二本立てとなりそうである。