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長坂10月26日号 携帯の向こう、植田氏から絶賛の声の巻

 夕刻せまる中、配達で郊外の幹線道路を走っている時に携帯が鳴った。左側に車を停め電話に出るとあの植田さんだった。植田さんは以前「6月4日号田植え体験会の巻」の時にもご紹介した岡部町で「ゆとり庵」という飯炊きの店を営む方でその筋では「めし炊き職人」の名で知れた方で今年も行われる静岡県が主催する静岡米まつりの米品評会で2年連続で審査員をされるほど飯の味には造詣の深い方なのである。

 その植田さんが数日前イベントに使いたいと松下×安米ヒノヒカリを20キロ購入していった。僕はその帰り際に「○か×だけでいいのでインプレッションお願いします!」と依頼したのだった。そして翌朝、「速報!◎素晴らしい!」と描かれたファックスを送ってきてくれたのだ。僕はそれだけで充分だったのだが、夕方に再度電話が掛かってきたのである。

 「いやー素晴らしい出来ですね、ヒノヒカリらしい弾力と甘みがうまく出ていますよ・・・」との第一声。「何よりも全体のバランスがいいね〜こんなヒノヒカリはなかなかないですよ・・・」。絶賛というのはこういうことなのかと思っていたら「最後にひとつだけ・・・」と、こんなご指摘もいただいた。「未成熟と思われる変形粒が気になりました〜これがなくなればさらに食味が上がりそうだね・・・。」当店の本機である大型の精米プラントで精米すればこれら未成熟米はほぼ除去できるのだが、今回は小型の精米機を使ったためにそれら変形粒が残存してしまったのだった。

 早速、松下くんにその旨の電話した。「植田さんから絶賛の評価をいただいたよ・・・ただ未成熟粒が少し気になる・・・」と伝えると「ヒノヒカリの後がなくてもう少し収穫時期を先に引っぱることができれば未成熟は減るだろうな・・・」と松下くん。ヒノヒカリだけを栽培するのならそれも可能であろうがこの後に続く最晩生の山田錦(酒造用好適米品種)の適期刈りを外すわけにはいかない。しかも秋雨前線の機嫌を伺いながら稲刈りのタイミングを計るというのはこの時期において最もセンスティブな問題なのだ。だからこそ今年は収穫の適期に短時間に集中して稲刈りできるようにと大型のコンバインの設備をしたのだった。変形粒は精米段階で除去できるのでテクニカル的にはそれほど問題ではないのだが栽培段階で限りなく高いレベルを求める松下くんとしてはこの点が少し心残りだったようだ。

 松下式有機農業のクオリティコントロールはかなり高い次元まで来ている。それでも解決しなければならない問題はまだまだあるのだ。これら問題は18年産の課題となりそうである。いづれにしても、この5年間で最も手ごたえのある成果を得、また植田さんにも褒められるまでに成長した「松下×安米ヒノヒカリ」を今は素直に喜び、大いに味わい田圃と松下くんに感謝しようと思う。

ヒノヒカリ a la carte

今回の時間はこちら
10月26日9:25速報松下×安米ヒノヒカリ!
10月26日9:25速報松下×安米ヒノヒカリ!
2005年01月27日 [ 4056hit ]
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