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松下4月25日号 スタートからきびしく育てるの巻

 以前にも田圃見学に来た「ちゃんとした飯を炊く店をやりたい」と一念発起した僕の友人が、今度はその店で使う干物を求め静岡に来たので帰り道に松下くんのところに寄ってみた。松下くんは田圃の整備がほぼ終わり苗床作り真っ最中だった。

 「この育苗土は全部自分で作るんですよ」。松下くんは前年の夏頃から苗床に使う土を準備するという。良質の山土、牛糞、貝化石、自家製堆肥、籾殻など6〜7種類を集めこの時期にブレンドする。完成品を買えば済むことだが買った育苗土にはなかなか満足できない。その上約7町歩分の量ともなるとコスト的にも大きい。コストパフォーマンスに優れ、自分の栽培方法にあった素材、しかも持ち運びなどで作業しやすいようにと軽量化(4割減)した自家製育苗土をオリジナルで作ることは彼の有機農業におけるクオリティコントロールなのである。

 「種籾を水に浸けるのもあえて温水を使わないんですよ」。一般的には温水に浸けることによって発芽率を90%以上にして苗床に撒くものだが、松下くんはあえて冷水に浸す。発芽率は80%以下に落ちるそうだが冷たさを勝ち抜いてきた強い種籾だけが発芽するので苗となった段階での歩留まりを計算するとは温水を使うのとほとんど変わらないという。さらにこの段階で冷水にも負けない強い種籾だけに選別されているので病気にかからない健康な苗だけになっているそうだ。「うちは田植え後からきびしく育てるのでなくスタートからきびしく育てているんですよ」と、いつもよりきびしい口調で云った。松下くんは「考えられることはすべてやる」と口癖のように云うが一見して解らないこのような緻密な作業の積み重ねが彼の有機農業の実体なのである。


育苗土


苗床


冷水

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「きびしく育てること」の意味について熱弁を振るう松下くん。
「きびしく育てること」の意味について熱弁を振るう松下くん。
2005年01月27日 [ 3009hit ]
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