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松下・高野4月4日号 高野くんが松下くんに出会ったの巻

 4月4日月曜日の午後、高野くんは安東米店に現れた。サンプルを兼ねて少量購入した16年産コシヒカリの領収書を届けにきたのである。事務的なことを済ませた後、コーヒーをすすりながら17年産の栽培計画書を見ながらどんな米を作りたいのか具体的な点をあらためて聞いた。「稲が植物らしい育ちになるように元肥ゼロの無肥料、への字栽培をしたいんです」。への字栽培とは現在慣行栽培において主流の初期段階での早い生長を促すことで稲の体を作る2コブの線で描くことのできる栽培方法ではなく、あくまでも植物本来の生長を基本としたへの字の線で描くことのできる栽培方法のことで松下くんもこれを基本にしている。栽培品種はコシヒカリ、キヌヒカリ、あいちのかおり、するがもち、の4品種を栽培し目標反収(1枚の田圃の収量)は7俵(玄米で420キロ)とのこと。僕は過去の経験から「あいちのかおりを上限7俵くらいでスリムに作ればかなりの食味になるゾ」と思い描いていたことから、それが実現できることがわかって少し興奮した。そんなことから「高野×安米プロジェクト」のメインの品種は「あいちのかおり」を中心に展開しそうである。

 おおかた話しが終わるころ「松下さんに会いたいですね」と高野くんはぽつりと云った。「思い立ったら吉日、じゃあこれから行ってみようか!」と僕は提案した。早速松下くんの携帯に電話するとで外仕事ができず納屋で元肥のぼかし肥料を作っているとのこと。即、車を飛ばし藤枝に向かった。じつは高野くんの米作りに対する熱き思い「米作りはミッション(使命)です」を聞いた時から僕は松下くんに会わせなければならないとずっと考えていた。偶然にもが降ったことでタイミング良く二人を出会わせることができたのである。

 「一等地でやってんだなー」開口一番松下くんは云った。「あの辺(菊川)の田圃はこことは違い栄養たっぷりで最高の場所だよね・・・ここ(藤枝)は大井川の扇状地で水も肥料分も抜けが良過ぎてこうやって元肥をしっかり入れてやんないとダメなんだ・・・」松下くんのその話しを聞いて僕ははじめて高野くんの云う元肥ゼロという意味がわかった。田圃の環境は土質、日当たり、水周りなどおかれた環境は田圃一枚一枚違う。そういった違いを見極めて適切な栽培方法を編み出すのが生産者の技術なのである。「はじめに農法ありき」ではないのである。二人の談話の8割方は予想どおり松下くんの喋りであったがその話しを聞く高野くんの顔は僕が初めて会った昨年12月の頃とは明らかに違い知りうる限りでは最も明るく穏やかな表情だった。稲作に対する情熱の火が消えかかっていた彼に松下くんと僕は風を送ったのであろうか?別れ際に松下くんは高野くんにこうエールを送った。「自分の思うようにやってごらんよ、見てる人は必ずいるんだから、思いどおり好きにやればいいだよ」。暗中模索で苦しんできた初期の頃を思い出したのだろうか?松下くんだから云える最高のエールのような気がした。

このコンテンツ2005のテーマは「時間」松下くんと高野くんそれぞれが違う場所でそれぞれの思う稲作を展開するその一瞬の時間を切り撮ってみようと思う。


小屋


松下くんと高野くん

今回の時間はこちら
二人が稲作の夢を語っている作業小屋から見えた雨上がり夕日の美しい至福の時間。
二人が稲作の夢を語っている作業小屋から見えた雨上がり夕日の美しい至福の時間。
2005年01月27日 [ 3145hit ]
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