2012始動。
雨降りの藤枝。
用事を済ませたら田んぼへGO。
思えば今年最初の田んぼ。
作業小屋では機械音。
それといい香り。
その香りに誘われシャッターをくぐる。
トラックいっぱいの乾燥した鯖。
正確にいうと鯖カス。
いい香りの正体はこれだった。
荷台の松下は自作アルミシャベルで粉砕機にその鯖カスを放り込んでいた。
数秒で粉々になった。
聞けばこの作業、今日が初日だという。
ぱッと見、10%終了ってとこ。
3月の仕事は田んぼの整備が中心。その合間に肥料をつくる。
雨降りの日は外仕事ができないから好都合なんだ。
ところで、
米の個性を決めるには何があるのか?
風土、
技、
人、
そのすべてだと感じている。
肥料の素材を選ぶこと。
質が良いことは何より重要。だけど何でもいいわけじゃない。
土地に根ざしてない素材は腑に落ちない。
藤枝にはクルマで数十分のところに漁港がある。魚の加工場もたくさんある。
だから鯖カス。
昔から変わらずこの土地にあった。
つまりそれは風土。
身近にそれがあったのだ。良質なそれが。
その素材で長い時間をかけて技が醸された。
それが土地の技。
その技をどう使うかは人の意識。
同じ圃場でも毎年微細に変化し続ける状態を読むこと。
常に適切な判断を臨機応変にできること。
それもまるで癖になるまでに。
だから人。
米の個性を決めるのはそういうものだと感じている。
2012年、平成24年産はどんな米が生まれるだろうか?
仕事は始まったばかりである。
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画像上:鯖カス、トラック満載。
画像下:いい香り。中には鯵も混ざっていた。
( アンコメ米作りプロジェクト / 2012年度 )
2012年03月25日 [ 6894hit ]