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真夏の太陽の下

 

最近アンコメには時々居候がやってくる。彼は25歳、将来農業を起業すべく準備中の身だ。カミアカリ勉強会の参加をきっかけに、松下やアンコメへやって来ては時々手伝いというか見習いをしている。松下のところでは農作業を、アンコメには昼にやって来て毎日行うご飯の試食を共にする。本人は喰うだけでは気まずいらしく精米工場や米倉庫で肉体労働もしていく。そんな日々がこの春から続いている。我々の年齢からすれば息子くらいの年齢ということもあり、とくにどういうこともなく一緒にいるという具合で付き合っている。そんな彼からまたメッセージがあった。

松下さんの田んぼ見に行くのであれば同行していいですか?

カミアカリの出穂を終え変化の激しい頃なので山の日の午後に見に行くことになった。生憎松下は買ったばかりのオートバイで出かけたらしく留守、彼と二人いつものルートで田んぼ見て回った。

◎カミアカリの田んぼ
先週の夕方、出穂したばかりの姿を見たばかりだったが一週間後の今日は、すでに穂が垂れ始めていた。その姿は「お見事!」というほかない。それくらい美しい。ただ収量は今年もやや少なく見える。美しい姿と収量は逆相関のケースが多く、なかなか悩ましい。しかし食味は間違いなく良いだろう。長雨の影響を最小限に食い止めたのはラッキー!残り一か月無事に収穫の時を迎えることを祈るのみだ。

◎きぬむすめ
長雨が生長具合にいちばん影響しているように見られるのがこの品種。一部ではいもち病もちらほら、とはいえ梅雨明け以降に降り注ぐギラギラ太陽のおかげでその心配も解消されそうな勢い。この日照パワーを受け8月一か月でどこまで遅れを取り戻すか?出穂までの限られた期間で日々の日照の重要さをいちばん感じる。出穂は8月下旬、収穫は9月下旬頃。「日照りに不作なし」先人の言い伝えが身に染みる。

◎にこまるの田んぼ
長雨の影響で生長がやや遅れ気味。とはいえマラソンランナーのように栽培期間の長いにこまるはきっと最後には帳尻が合うはず、ゆえに心配はぜんぜんしていない。にこまるは2011年から作付を始めたが、これまで長雨や冷夏、巨大台風連発など様々な攻撃に遭ってきたがびくともしなっかた。有機栽培というやや博打的要素を持つ栽培方法にも、栽培期間の長いこのキャラは相性の良い。出穂は9月中旬、収穫は10月下旬、まだまだ道のりはこれからだ。

かいつまんで言えば以上のようなことの話しに加え、カミアカリ発見の場所、新幹線脇の実験圃場のこと、栃山川沿いの大木のこと・・・真夏の太陽の下、それぞれの場にまつわるこれまで20年のエピソードをつらつらと語っていた。ひととおり話し終え松下の作業場に戻ってみたが松下はまだ帰っていなかった。さぞや新しいオートバイが調子よいらしい。
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画像上:カミアカリのクローズアップ、産毛のように見える穎毛(えいもう)が美しい。
画像中:まだ何にもなってない彼、今まさにありとあらゆるものを吸収している最中。10年後20年後どんな農業者になってることだろう。
画像下:にこまるの田んぼ。広々として風通しも良く大好きな田んぼのひとつ。

2020年08月13日 [ 1569hit ]
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