放物線の孤
何年か前もこんな年があったことを思い出す。台風が過ぎ去った後に秋雨前線が停滞し雨降りが続いたのだ。稲刈りしようにも一瞬も雨が上がらず、ただただ雨降りの田んぼを眺めるしかない日が続いた。。。
早生品種のカミアカリは今が収穫のピーク、ここを逃したら理想の品質は得られない。30年産もそんな週末がやって来ていた。天気予報は木曜晴れ、金曜雨、土曜はまた雨、日曜日が晴れ、そしてまた月曜日から雨マーク・・・松下は木曜日にできるところまで稲刈りをし、日曜日に残り全部を稲刈りするべく段取りをした。
日曜、朝方雨が降ったものの、その後は気持のいい秋晴れになった。午後、田んぼを訪ねると泥濘状態のカミアカリの田んぼの中でコンバインを駆る松下がいた。コンバインのエンジンを止めニヤニヤ笑いながら盛んに何かを言っている。要約するとこういうことらしい。
放物線の孤の先端をイメージしてほしい。
木曜日がピークを登り切る寸前、そして今はそのピークを下り始めるその時とのこと。
たしかにいい色に仕上がっている。このキレキレ(松下曰く)の状態は年に一度この時にしか見ることができない。かつてない暑さだった2018年の夏、その猛暑酷暑にも関わらず、その影響はほとんど見受けられない。稲が最後まで根を傷めず健全に育った証拠だ。その雄姿をしばらく見ていたいがそうもいかない。
_
画像:美しく黄金色に実ったカミアカリであったが猛暑の影響は反収に現れた。設計収量の7俵を下回り6.5俵(390キロ)となった。とはいえ品質は文句なし!厳しい夏を健全に育ち実った米はエネルギーに満ちている。
( アンコメ米作りプロジェクト / 2018年度 )
2018年09月13日 [ 3193hit ]