修理

 

 

4月12日、配達途中で藤枝へ寄る。

― 工場の西側、ちょっと離れたところ・・・

松下の携帯へ電話をかけるとこんな回答。
クルマでその作業現場へ行くと表層耕起の最中だった。
トラクターにドライブハローという機械を取り付け、表層5センチほどを軽く削るようにして春草を鋤き込む作業だ。
作業をしばらく眺めた後、配達のためその場を少し離れた。その最中、携帯が鳴った。松下からだった。

― ドライブハローが骨折しちゃった~

作業場へ行くと、無惨にも溶接面が金属疲労でボッキリ折れたドライブハロー。すでに修理が始まっていた。
長年使い込んだせいで本体がかなり捻れていて、なかなか思い通りの位置に破断した面が来ない。
僕も手伝いながらパーツ各所にバールや角材などを挟み、知恵の輪のように答えを探していく。
その光景は、在りもの工具で必死に修復を試みるアドベンチャーラリーストのようでもあった。

そんな松下に関心するのは、こういう修理をほぼ全部自分でできるところ。
溶接の腕前は、若い頃務めていた金属加工会社でしっかりと仕込まれた。
機械整備は、やんちゃしてた小僧の頃、バイクとクルマの改造(笑)で覚えた。
工夫して直すセンスは海外青年協力隊員時代のエチオピアで学んだ。
何せ(農業)機械屋が「松下さんのところは儲からない・・・」と愚痴をこぼすほど修理仕事がないそうだ。

約1時間半ほどで修理完了。溶接作業を見届けてから僕は作業場を後にした。
だいぶん日が長くなってきたから、きっと暗くなる前にまた田んぼへ戻って続きの作業したのかな?
田植えまでが勝負。今年も色んなハプニングが起きようとも、こんな風にして進んで行くに違いない。
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画像上:破断面を溶接するためにグラインダーで削る。
画像中:春草生い茂る田んぼ。表層を5センチほど削るようにして耕起する。
画像下:タングステン溶接はお手もの。

 

2016年04月12日 [ 4533hit ]
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