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スイハニングのルーツを探る旅 2
スイハニングのルーツを探る旅 2

 

場末の米屋がいつしかライフワークになったスイハニング(炊飯)のルーツへの探求。
今現在見知った中で空想した仮説を夜な夜な書いてみました。


スイハニングのルーツを探る旅 1 の続き


米食後発組でありながら、なぜこんな高度な調理技術「炊飯」が生まれたのか?
私はこんな仮説を思い描きはじめている。

「植物種子を加熱調理するための成熟した技術を持ったご先祖さんたちの前に『米』がやって来た!」

ニッポン列島がまだ大陸と地続きだった時代、大型動物を追いかけて移動してきた先人たちは、
氷河期の終焉とともに上昇する海水面によって大陸と隔てられしまう。
列島状になった島々に孤立した先人たちは、残された動物を徐々に食い尽していった。
狩猟の対象が大型動物のみならず、漁労へも向かう中、
温暖化が進む森林では針葉樹林から、ドングリなどの木の実を実らされる照葉樹林へ少しづつ変化していく。
その時、我々のご先祖たち(ネイティブニッポン列島)は、
皮肉にも気候変動によって身近になった木の実を採集(後に栽培)し、そのデンプンを食糧の一部としていった。
しかしその多くはアクがあり、生のまま食べられるものではなかった。
そこで肉や魚などの動物性タンパク質を土器を用いて煮炊きして食すのと同様に、
採取した木の実を煮てみた。すると煮ることでアク抜きができることに気づく。
同時に木の実の生デンプンをアルファ化(消化吸収できるデンプン)し効率よくエネルギーを摂取できるようにもなった。
やむをえず(?)食べることになった木の実が、この技術によって食糧の一握を担うことになり
その後、縄文という長い時間をかけ技術が研かれていったのではないだろうか?

つづく
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画像上:初の海外スイハニングはフランス、フェール城「能」イベント(2013)ピレネーの軟水とゲランドの塩でカミアカリお結びを作る。
画像下:縄文時代初期の煮炊き用土器(秋田市地蔵田遺跡)

2017年03月07日 [ 3527hit ]
スイハニングのルーツを探る旅 1
スイハニングのルーツを探る旅 1

 

炊飯はニッポン列島で生まれた独自調理技術だということは、ここでも何度か書いてきた。
「煮る、焼く、蒸す」
この3つの加熱調理技術を、ひとつの鍋釜の中で水加減火加減だけで連続して行う調理。
この繊細さと大胆さを併せ持つ調理技術から生まれる「ご飯」の魅力は、いまさら説明の必要はない。
素材の持つ力を十二分以上に引き出す上に、米を吸収しやすく効率の良いエネルギーとする調理技術。

その技術はどういう経緯で生まれたのかを知りたくて
スイハニングと称し様々な方法、様々な場所で炊飯を実践してきた。
また登呂遺跡での活動(アートロ:登呂会議)を通じて過去に戻って考えてもきた。
そんなわけで、この探求は、すっかり私のライフワークとなっている。
探求の過程で湧いたひとつの疑問がある。それはこんなものだ。

縄文時代の晩期、渡来人によって稲が大陸からやってきて以来、
この列島で少しづつ稲の種子「米」をたべる食文化が広がっていった。
しかし「炊飯」という技術が生まれたのは、米食文化圏の東アジアの中にあってニッポン列島だけで起こった。
しかも米食後発組でありながら、なぜこんな高度な技術が生まれたのか?
僕がこれまで見知った経験から、ある仮説を思い描きはじめている。

つづく
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画像上:南阿蘇で地元の有機米をスイハニング(2014)地元の米を地元の水と燃料でスイハニングする醍醐味は格別!
画像下:佐賀県吉野ヶ里遺跡。登呂で見慣れた弥生の姿からすると、こちらの弥生は、はるかに都会的に見えた。

2017年03月06日 [ 3162hit ]
アートロ「登呂でオレらは、考えた。展」
アートロ「登呂でオレらは、考えた。展」

 

2012年実験準備段階から関わり今年で5年目、
登呂遺跡の田んぼの土で土器をつくり、同じ田んぼの土で稲を育て、秋に収穫した米を土器で煮炊きして食す、
「土からつくる・食べる・生きる」体験型の講座をを3年続けてきたこの活動が
2020年オリンピック・パラリンピック文化プログラム静岡県推進委員会モデルプログラムに選ばれました。

アートロでの私の研究テーマは水稲と炊飯技術の歴史とその変遷。
それによって見ようとしているのは、今なぜ?こういう暮らしを我々がしているのか?ということ。
水田稲作導入後、膨張することで作ってきた経済とその社会、その黎明期、登呂の村があった2000年前に戻って身体をつかって考えてきた。
それらのことを美術という手法で説明する機会を得たことは、
美術学校出身の私にとっては、偶然とは思えない縁を感じています。

考古学や経済学、社会学といったカテゴライズされた理解の仕方とは少し違う、
日々様々な仕事をしながら暮らしているメンバーが「はてな?」と思い「がってん!」と気付き、わかったこと。
そのドキュメントの展覧会です。
期間中トークセッションやワークショップもございます。ぜひお越しください。

「登呂でオレらは、考えた。展」
期日: 2月19日(日)~3月12日(日)(休館日…月曜日、祝日・振替休日の翌日)
場所; 静岡市立登呂博物館1F多目的ホール 

アートロホームページ
http://artoro.jp/
展覧会フライヤーダウンロードはコチラ
http://artoro.jp/exhibition2017/artoro_exhibition2017.pdf

展覧会開催告知動画

https://youtu.be/UTBHWRno9tE

2017年02月04日 [ 3771hit ]
今年もヤツらがやってくる!
今年もヤツらがやってくる!

 

毎年恒例、節分の日、アンコメに鬼がやって来ますよ~。
今年は夕方16時15分ごろ。
大竜山臨済寺鬼軍団から事前通告を頂きました!(笑)
 
思えばアンコメに鬼が襲来するようになって何年でしょうか?
襲来の日には家族、社員、たまたま居合わせたお客さま
通りすがり方、友達等々が一丸となって豆まきして戦うのです。
そのおかげか、このせちがない世の中ながらも何とかやって来れました。ありがたや~。
 
本格的な豆まきを体感されたい方はこの機会にぜひお集まりください!
小さいお子さんも大歓迎。(マジで怖いよ~)
ストレス解消にぜひいかが!いっしょに戦いましょう!

2月3日(金)16時15分頃
※鬼たちは突然襲来することがあります。ご注意ください!

2017年01月30日 [ 2888hit ]
アンコメ感謝祭 1月21日土曜日!
アンコメ感謝祭 1月21日土曜日!

 

1月21日土曜日(10~14時)アンコメが日頃の感謝をコメて一日だけのイベントやります!
当日はお米の増量(ご来店者さま限定、玄米計り売り商品のみ10%増量)で販売致します。
また日頃アンコメをサポートしていただいているショップやメーカーさんのご出店いただき、
お買いものや飲食を楽しんでいただく準備をしました。ぜひこの機会にご来店ください!

出店者さま商品リスト

北海道豊頃町:互産互消プロジェクトチーム
「互産互消」。互いの産物を互いで消費し合うという地域交流の新たなカタチ。
静岡と北海道のプロジェクトにアンコメも昨夏から賛同しています。
今回はその関連事業として北海道豊頃町からご出店です。

・海鮮モノ(毛ガニ/シシャモ/鮭トバ)
・ジャガイモ(レッドムーン、ホッカイコガネ)
・小豆、金時豆
・切干大根
・ストリングチーズ、
・スイーツ
・エゾ鹿サラミ
・なたね油、他

マル鉄商会
アンコメでもすっかり人気のベーコン職人マル鉄商会さん
今回は人気のベーコンチャウダー、焼きナポリタンも販売します!

【商品】
・ベーコン
・スモークチキン
・スモークチーズ
・ハム
・うずらのくん玉
・ナッツなどの燻製
【飲食)
・豆乳仕立てのベーコンチャウダー
・鉄板焼きでベーコンたっぷりナポリタン

創作珈琲工房くれあーる
世界のトップクラスの豆を買付、世界レベルの焙煎技術を持つコーヒー専門店。
この店が静岡にあることを誇りたい!アンコメ店主の友人でもくれあーるさんが友情出店!

・スペシャリティコーヒー豆各種
・自慢のドリップコーヒー

<富士宮やさし菜農園>
富士宮で有機野菜を生産している近頃人気の野菜生産家やさし菜さん。ついに出店です!

・白菜
・ネギ
・水菜などの葉物類
・サツマイモ
・ジャガイモ
・ミニブロッコリー
・ミニ大根
・カブ

蒲原カネジョウ
蒲原の削り節専門店カネジョウさんは「出汁と旨み」のエキスパート。
アンコメでも人気、いわし削り節や化学調味料無添加のふりかけなどひっさげ出店します!

・いわし削り節
・いそのわかめふりかけ、いそのわかめスープ
・カレーだし、他
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<イベント詳細>
日時:1月21日土曜日(10~14時)
場所:安東米店駐車場
駐車場:臨時駐車場(向い側)4台、第二駐車場(50m先交差点角)2台分(アンコメ印)あります。
いづれも満車の時は安東児童館向えのコインパーキング(下記URL)をご利用ください。
https://www.google.co.jp/maps/place/34%C2%B059'21.0%22N+138%C2%B022'58.2%22E/@34.9891691,138.3822808,19z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x0:0x0!8m2!3d34.989168!4d138.382828?hl=ja

2017年01月13日 [ 3530hit ]
初スイハニング!
初スイハニング!

 

 

2017年の初仕事はスイハニング(炊飯ing)から。
1月2日松坂屋静岡店の新春初売りで玄米食専用品種「巨大胚芽米カミアカリ」を羽釜と薪で本格的に炊き、
ご来場の皆さまにふるまいます。

じつは今年は松坂屋静岡店の開店85周年、
その記念福袋として酉年にちなみ「新しい卵かけごはん」企画されました。
その関連イベントとしてカミアカリスイハニングが実現したのです。

1月2日9:30開店とともに連続で5釜、7升スイハニングします。
ぜひお越しください!
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松坂屋静岡店の開店85周年記念福袋「新しい卵かけごはん」
85袋限り(税込3,000円)

Ⅰ,元旦に生んだ“美黄卵”使用!
→農林水産大臣賞受賞、しずおか食セレクション認定の
静岡市「清水養鶏場」の生産卵

Ⅱ,幻のお米 カミアカリ使用!
→静岡市「アンコメ安東米店」お米マイスターが選んだ、話題の玄米食専用品種

Ⅲ,トッピングには、醤油ではなくあえて「塩」を使用!
→農林水産大臣賞受賞。駿河湾の黒潮海水から
13時間炊き上げた沼津市「戸田塩」をトッピング

※85袋の中に1袋つだけアンコメ店主による「出張スイハニング券」も入ってますよ。
欲しくなってきたでしょ~今年の運だめしにいかが~

販売場所は、1/2(月祝) 北館1階けやき通り入り口です。
スイハニングも同じ場所でやってます!ぜひお越しください!

2017年01月01日 [ 3501hit ]
探粋華物
探粋華物

 

2016年も無事12月31日を迎えることができました。
この一年ご愛顧いただき、まことにありがとうございました。

来年2017年は、
探粋華物。
華やかな物を粋に探す仕事を目指し、
美味しく楽しいご飯をたっぷりたべ、さらに頑張りたいと思います。

来年もどうぞよろしくお願い致します。
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新年は1月6日より営業致します。

2016年12月31日 [ 2832hit ]
餅切り抜刀斎、見参!
餅切り抜刀斎、見参!

 

今年もあっという間にお餅の日。
9月からほぼ休みなく走ってきて、
12月の最終盤、28日からの4日は一年の締めくくり、お餅の販売が最後の大仕事となる。
マラソンでいうと最後のトラック勝負みたいな気分だ。

12月の初旬には精米をしておいた原料米を餅工房へ運び職人に搗いてもらう。
暗いうちから作業が始まり、朝一で仕上がった餅を店に運び入れ、販売準備に取り掛かる。
その中の一部は、店主自ら切餅を作るべく包丁をふるう。
朝から晩まで切って切ってきりまくる。
その姿を見た当店スタッフは私(店主)をこう呼ぶ。

餅切り抜刀斎。

今年もあと数日、
餅切り抜刀斎、見参!

※お餅の販売は30日まで!お早めに!ご注文はコチラへ↓
https://ankome.com/modules/information/index.php?lid=1205&cid=9

2016年12月27日 [ 3150hit ]
新米入荷最終盤。
新米入荷最終盤。

 

毎年のことながら超多忙な秋。
ankome通信はウェブ版も手描き版も更新が出来ずイライラする日々。

デスクのある部屋の窓から見える裏庭のヤマボウシ、
葉の色付きが新米入荷も最終盤を今年も知らせている。
昨晩、山形のお米(次年子産はえぬき)が、ようやく入荷した。残りは数種類。

日照不足の影響で各地減収とはいえ、品質食味ともその心配をよそになかなか良い。
むしろ各産地の個性が例年よりもコントラスト強く現れているような気がする。
食べ比べが楽しい28年産になりそうだ。

2016年11月19日 [ 2838hit ]
カミアカリ@D&D
カミアカリ@D&D

 

D&Department静岡で9月から始まっている期間限定企画「静岡のおいしいお米」
アンコメがお米のセレクションさせていただいてます。
10月からの後半戦はさらにマニアックなお米が登場です。

巨大胚芽米カミアカリ

通常の3倍余りある大きな胚芽を持つ米で、
1998年、藤枝市の有機米生産者、松下さんによって突然変異を発見し2008年に品種登録した米。
玄米で食べる米(玄米食専用品種)として、
松下さんとアンコメがタッグを組んで20年近く大切に育ててきました。

物語り満載のこのお米を、9月29日から10月12日まで
D&Department静岡diningの人気メニュー「静岡ごはん」で食べられます。
プチプチ食感と独自の風味をぜひ味わってください!

shopでは1kg、キューブ型300gの販売もしています。併せてご利用ください。

2016年10月01日 [ 4368hit ]
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