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南伊豆の田んぼへ。
 
 
南伊豆の中村くんの田んぼへ藤枝の有機稲作生産家松下さんと行ってきた。
昨年から販売をはじめた南伊豆中村さんのお米、その24年産の稲の生育状況を見るのが目的。
じつは昨年、稲作の師匠である松下さんにその作りをこっぴどく酷評されたこともあり、
今年は春先から松下さんにアドバイスしてもらいながらここまでやってきたのだ。
 
午前9時現地到着。早速中村さんの案内で田んぼ一枚一枚見て歩く。
最初は無農薬の3枚の田んぼ、ここでは3枚とも異なる抑草の実験がなされていた。
代掻きの回数とタイミング、糠を蒔くタイミング、等々。
それによって3枚とも雑草の状況が異なる。つまり繁殖具合が異なる。奥側の一枚はかなり抑えられていた。
早速師匠が「なぜこうなったのか?」について分析していく。それが来年のための一手となるからだ。
 
最後に一番見晴らしのいい中村くん自慢の田んぼへ行った。昨年とは雲泥の差だった。
昨年は葉色は斑で草も多く、何もかもがスッキリしない混沌とした風景だった。
それが今年は葉色もよく揃っている。草もあるけど邪魔になるほどの量ではなく、
なにより一見してスッキリとした風景は心地良かった。
 
— まずは無農薬とかいう前に、この田んぼで今ある道具と技でできる「ちゃんと」をやってみました。
 
松下さんも僕もその言葉を聞いてホッとした。
なぜなら、まず足下の田んぼを見て徹底的に観察すること。
そこで色々な実験(除草剤を使うことも含め)をやりながら、この田んぼの性質や力量をきちんと把握すること。
それがわかると何をどうしたらいいのかが自ずとわかってくる。
じつはその積み重ねを続けていくとで最後には農薬がいらなくなってしまうのだ。
最初から「無農薬ありき」を否定するわけではないが、農薬の力を知ることもじつは大きな学びになる。
それを知ることで「使わなくても同じ作用をする何か」の発見がある。それも「この田んぼ」限定の方法が。
その気づきが何よりも大切で、そのためにまず標準的な方法で「ちゃんと」をやってみることはスタートラインにつく作業だと感じている。
 
収穫前にもう一度行くつもり。
楽しみがまたひとつ増えました。
 
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画像上:ちゃんと、をやってみた田んぼ。ちょうど出穂。
画像中:師匠と延々と会話する。
画像下:実験田、ほぼ草を抑えている。
 
2012年07月30日 [ 4141hit ]
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