低温倉庫の片隅で
長期貯蔵実験している巨大胚芽米カミアカリ。じつは平成19年産。
この米(玄米)が時間の経過とともにどんな変化をするのかを知りたくて低温倉庫(14℃)で保管し、
たまに食べてその変化を確かめている。
長期貯蔵の米については僕が知ってる限りでは85年という籾貯蔵米のことを書いた昭和11年に農学博士近藤寿太郎氏が新聞に寄稿した論文を持っているのでご紹介しよう。
<以下抜粋>
余は八十五年、六十三年、四十九年、四十六年前の四種の古籾米を持って居る、もとより備荒貯蓄米の寄贈である、是等の古籾米を精細に研究したが、脂肪、ヴィタミンB、酵素が減少し、或は皆無となり飯は淡褐色粗慥で食味良好では無かったが、非常時の食用には勿論何等の差支なきを見た之は籾殻の御蔭であるが一歩進みて若し乾燥密封籾米であったなら八十年後の今日も恐らく大なる変化は無かったであろう、同時に三十年前の玄米も試験したが、之は乾燥密封せられて居った為めに変質が極めて少なかった。
さすがに85年貯蔵は目指していないけど胚芽の大きいカミアカリが時間経過とともに「エイジング」なんてこともあるんじゃないかと、
かすかな期待をしながら遊んでいるというわけ。
そして今日、久々に食べてみた。
エイジングと呼べるような何かは生まれていなかったけど、著しい変質もなくふつうに食べられました。
安堵・・・。
この実験、いつまでやるのかは未定ですが、低温倉庫の片隅でできるだけ長く続けてみようと思っています。
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( 米屋のいい訳 )
2012年07月27日 [ 4223hit ]