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カミアカリドリーム勉強会10報告


 11月6日。今回で10回目となるカミアカリドリーム勉強会はカミアカリ発見の地、静岡県藤枝市松下さんの作業所で行われた。朝からあいにくの雨(それも土砂降り)ではあったけれど、カミアカリ生産者、販売者、カミアカリフリークなどが40人ほど集まった。

 カミアカリの生誕地での初めての勉強会ということで、カミアカリが生まれた土地の背景や歴史に思いを馳せていただきたく「カミアカリ小さなツーリズム」と題したツアーも開催。参加者有志7名で勉強会が始まる前の1時間ほどをかけてJR東海道線六合駅から会場までを散策した。栃山川用水路沿いにかつての大井川の氾濫原を歩きながら、旧田中藩が作った千貫堤や江戸時代の新田開拓の残像を探し歩いた。途中、カミアカリの田んぼにも立ち寄り23年産の松下カミアカリを語り合った。 

 

 13:00勉強会開始。恒例となった生産者トーク(前後半2部構成)、前半では23年産の栽培について静岡藤枝の松下さん、茨城奥久慈大久保さん、福島会津菅井さん、山形遊佐齋藤さんの4人のカミアカリ生産者が7月から収穫までの栽培の様子を語った。
 松下さんは「今年ほど稲刈り着地点が見えなかった年はなかった・・・」。茨城の大久保さんは「震災の影響で厳しい年だったか実ってくれたことを感謝する。しかし研究しなければならないことがたくさんある・・・」。菅井さんは「放射能検査の結果が出るまでは正直不安でした。今思えば気持ちの入りきらなかった年でした・・・」。齋藤さんは「去年よりもいい出来ですが9月3日の強風で稲が枯れ収量が3割減ってしまいました・・・」と語った。

 4人の生産者に共通していたのが8月下旬までは順調に生長したものの8月下旬からの天候不順で収穫期の見極めができず苦労したこと、台風や強風の影響から収量の減少があったこと、それでも品質は守られたこと、それぞれに微妙な差異はあるものの無事に収穫できたことの報告があった。また、懸念されていた放射能の影響だが、収穫後に行った自主的な放射能検査(専門の検査機関での検査)では各地域ともすべての項目で検出されず(ND)との検査結果であった(検査結果は以下掲載)。


 生産者トーク後半では「自らの稲作について」というテーマで、カミアカリを育てている自分自身のこと、栽培環境のこと、地域のことについて語り合った。お互いに栽培環境や状況について見聞きしていく中でそれぞれをどう感じていますか?という質問に、山形遊佐の齋藤さんは「山形の日本海からの強風がいらない」。会津の菅井さんは「蒸し暑い梅雨時期にその風が欲しい」。茨城の大久保さんが、「菅井さんのところの美しい景観にあこがれる・・・」といえば、松下さんが頭を掻きながら「ほんとうにうらやましい〜でも雪はいらないな〜」。そして松下さんが「藤枝の真夏の暑さを東北のみんなに分けてあげたい」といえば、対して茨城の大久保さんが「それだけはかんべんしてください・・・」…などなど、和気藹々と息のあったトークで笑いを誘った。

 トークセッションの後で、23年産カミアカリの試食会が行われた。今回は各生産者がカミアカリに合うご当地自慢の一品を持ちこみ、それらをおかずにテイスティングをするという趣向で、新米とそれぞれの土地が生んだ郷土食が並んだ。炊飯については勉強会が推奨する土鍋による炊き、炊き立てと冷めた状態のものを用意し同時にテイスティングした。また新たな試みとしてカミアカリブレンド(4生産者ブレンド:ガス炊飯器による炊飯)も加えて食べ比べをした。
 

  テイスティングは一班5〜6人のチームで行い、ディスカッションしながらチームごとに自由な発想で表現を試みた。

 

 毎回参加している方のいるチームでは23年産は四種に味や触感に違いが少なく、どれも香りがやさしく味がおだやかであること。今後の味の変化に興味が湧く。次回6月の勉強会が楽しみ。という意見が出た。また別のチームでは4産地のカミアカリを4人の女優に例えて表現した。菅井さん→黒木メイサ。大久保さん→長澤まさみ。斉藤さん→松下奈緒。松下さん→ベッキ−。ブレンドカミアカリ→AKB48。笑いを交えながらもそれぞれのカミアカリのキャラクターを女優に見立てながら表現していた。
 これまでどおりのテイスティングをしたチームもあった。菅井さん→きれい、香ばしい、しまっている、香り強い、最後に渋み。大久保さん→香り強い、水分多く含んでいる。齋藤さん→もっちり、甘み、やさしい。松下さん→つぶつぶ、ワイルド、整っている、まとまっている、クセが少ない、大人しい。ブレンドカミアカリ→やわらかい味、水っぽくなくていい。

 また巧みな表現をしたチームもあった。味の幅が狭まった。洗練された。細胞がしっかりしている感じ。菅井さん→コーンポタージュ、ミルク感。大久保さん→重み、サクプチサクプチ・・・。ミネラル感ベースで甘みあり。齋藤さんはフルーツ、パステル調、メリーゴーラウンド。松下さん→、ダイビング、大人になった味。北に行くほど甘いのか・・・?

 カミアカリテイスティングで日頃からアドバイスをいただいている創作珈琲工房くれあーるの内田一也さんにも貴重なコメントをいただいた。「黒木メイサとコーンポタージュ(ミルク感)は同じものを別の言葉で表現したものだと思います。この感覚を鍛えていくことが今後大切だと感じました」
 このように、これまでにない活発な意見交換や表現方法が見られたテイスティングが行われた。


 またこれも初めて試みた各生産者が持ち込んだご当地自慢の一品。そのどれもが郷土色豊かなものばかりで、カミアカリとの相性もじつに良かった。とくに人気だったのは山形の齋藤さんが持ち込んだ醤油の実。醤油の麹という大豆・米・大麦を麹で発酵させたものに物にお酒・しょう油・みりん・を加えてよく混ぜ、暖かいところの置いて作る、もろみ似た発酵食品です。最近は食べる醤油とも呼ばれているものです。
 参加者の中にはこの経験によって発酵食品との相性の良さを指摘する声もあり来年に向けた新たな気づきもあった。

 

<ご当地自慢の一品>


静岡藤枝 松下さん わさび漬け(安部奥横山、小沢さんのわさび漬け)
茨城奥久慈 大久保さん 煮しめ(自作)
福島会津 菅井さん 五目煮、松前漬け(自作)
山形遊佐 齋藤さん 醤油の実


 会場では静岡市内にある岩崎製茶さんがこの日のために特別に製造してくださったお茶が振舞われた。このお茶は、桜葉の香りのする清水の「マチコ」と「松下カミアカリ」で作ったコラボレート玄米茶。来場者には大好評を博した。また松下さんの有機栽培仲間、杉浦氏によるカミアカリで作ったポン菓子も振舞われ賑わった会となった。作付け当初、東日本大震災の影響下での栽培は多難と思われたが、こうして23年産の収穫を無事迎えられたことを参加者全員で喜び味わいつくして無事閉会した。

 

 

<カミアカリ放射能検査結果>

 

静岡藤枝松下カミアカリの放射能分析試験の結果
分析依頼所:(財)日本穀物検定協会 東京分析センター
供試品:玄米 静岡藤枝松下カミアカリ
試験年月日:平成23年9月27日
分析試験結果:以下のとおり
分析試験方法:ゲルマニウム半導体検出器による方法

放射性ヨウ素(I131) 検出せず     検出限界0.695Bq/kg
放射性セシウム(Cs134) 検出せず    検出限界0.865Bq/kg
放射性セシウム(Cs137)検出せず  検出限界0.828Bq/kg


茨城奥久慈大久保カミアカリの放射能分析試験の結果
分析依頼所:(株)化研 水戸研究所
供試品:玄米 茨城奥久慈大久保カミアカリ
試験年月日:平成23年10月24日
測定方法:厚生労働省薬品局食品保険部監視安全課発
「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」に準拠

放射性ヨウ素(I131) 検出せず     検出限界5Bq/kg
放射性セシウム(Cs134) 検出せず    検出限界7Bq/kg
放射性セシウム(Cs137)検出せず  検出限界7Bq/kg
放射性セシウム(Cs136)検出せず  検出限界6Bq/kg


福島会津菅井カミアカリの放射能分析試験の結果
分析依頼所:(株)同位体研究所
供試品:玄米 福島会津菅井カミアカリ
試験年月日:平成23年10月15日
分析試験結果:以下のとおり
分析試験方法:ゲルマニウム半導体検出器による方法 測定時間2000秒(33分)

放射性ヨウ素(I131) 検出せず     検出限界1Bq/kg
放射性セシウム(Cs134) 検出せず    検出限界1Bq/kg
放射性セシウム(Cs137)検出せず  検出限界1Bq/kg


山形遊佐齋藤カミアカリの放射能分析試験の結果
分析依頼所:(財)日本穀物検定協会 東京分析センター
供試品:玄米 山形遊佐齋藤カミアカリ
試験年月日:平成23年10月26日
分析試験結果:以下のとおり
分析試験方法:ゲルマニウム半導体検出器による方法

放射性ヨウ素(I131) 検出せず     検出限界1Bq/kg
放射性セシウム(Cs134) 検出せず    検出限界1Bq/kg
放射性セシウム(Cs137)検出せず  検出限界1Bq/kg
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参加された方々のレポートです。

 

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2011年12月09日 [ 3597hit ]
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