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自分にしか見えてないもの・・・か。
 
 
今日は朝から曇り。そしてのち雨だった。
 
沼津と富士宮へ行った。
沼津は西浦、みかんの産地。青森と東京の知人が農業研修の仕事で3日間みかんの収穫に来ているというので訪ねた。
富士宮は猪ノ頭、以前から交流のある養鱒家を訪ねた。
 
ここのところどうもすっきりしない。
課題はあるのに答えの出し方がわからない。
わからないというより、これまでやってきた方法では通用しないんじゃないかと気づいた。
それでどうしたらいいのか悶々としていた。
何かアイデアはないものか?
店の中で考えていてもイライラするだけ。
そこで年末の準備もできたこともあり、今まで気になっていたところを訪ね歩くことにした。
 
西浦では少ない時間ながら魅力的な方々と出会うことができた。
その中には意欲的なみかん生産者もいた。
みかんが好き、農が好き。この土地が好き。そんな感じのする方。
もしかすると店頭に並ぶかもしれない。このみかん。
 
次に向かったのは養鱒家。
鱒の養殖池。場所は富士宮は田貫湖の近く。柿島養鱒さん。
アンコメの(隠れた)人気商品、鱒の缶詰(水煮とバジル)のここで育った鱒なんです。
 
池の周辺は自然そのもの。
枯れることのない一定水温(10℃)の伏流水が場内を絶え間なく流れている。
工場生産的な・・・とは真逆の風景。
余白があるというのか?品質や味を効率化という名の純化的手法ではなく、
土地や人や技という部分を描くための余白を残してある。
つまりそういう有形無形のものに対する敬意みたいなものを感じた。
う〜ん・・・うまく言えないけど、なんだか松下の田んぼみたいだった。
アンコメが魚屋だったらきっと店頭に並べるだろうな。ここんちの虹鱒。
 
 
 
じつは西浦に行く前に少しだけ時間があったのでIZU PHOTO MUSEUMへ寄り道した。
野口里佳さんの作品があった。そこで小一時間ほど会場にいた。
学生時代の作品から今回初めて発表する作品まで40点。
いつの間にか作品の中にいるような錯覚に陥った。それがなんとも気持ちよかった。
作品一覧のフライヤーを読んでいて気になる一文を見つけた。
 
ー この写真を撮りながら、自分にしか見えてないものがある、という確信を深めていったのを覚えています。
 
西浦を訪ね、猪ノ頭を訪ねしている間中、この一文が頭の中から離れなかった。
この作家はそれに気づき、印画紙に焼き付けることができたのか・・・。
その気分のまま過ごした一日だった。
 
帰宅後も相変わらずの悶々状態ながら昨日とはちょっと違うのがわかる。
だから悪くない。
もう少し悶々をやろうと思う。うむ。
_
 
画像上:大瀬崎の見えるところまで行ってみた。
画像中:柿島さんが「ニジオの滝」と呼んでいた。 柿島養鱒場内
画像下:IZU PHOTO MUSEUMのお隣の会場で四半世紀ぶりに対面した戸谷成雄さんの作品。
 
Betles - I will
 
2011年12月09日 [ 3383hit ]
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