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備忘録2010。全部ある感覚について。

 

今年は何回田んぼ通いをしただろうか?
じつは今日、今年最後の島田藤枝定期便の途中、定点観測地へ行った。
気温は6℃。季節風もあり、かなり寒かった。
日本海からやってくる灰色の雲が上空までやって来ていた。

 

月に最低でも1回は通っているので計12回。
今日みたいに通りがかりも含めるとその倍くらいだろうか。いやもっとかな?
何をどう見るか?なんてテーマもなく、
定点を廻り、風に吹かれ、日に当たり、松下と話し、合間に写真を撮る。
そしてその日に思いついたことをこのサイトに書く。
今年もそんな風にして田んぼ通いをした。
来年もたぶん早々に田んぼへ行くだろう。
その時期にしか感じることのできないモノや感覚が必ずあるから。

 

田んぼに稲のあるなしに関わらず通うのは僕の流儀。いえ癖です。
冬であれば風に吹かれて寒くてしかたない感触を味わい冷え切った体を認識するとか、
光に含まれている冬特有の色の成分を意識したり、
畔に繁茂する植物を虫のつもりで見たり、
上空を行く渡り鳥の旅路を想像してみたりね。

 

僕の場合、学術的な捉え方は二の次で、
とにかく一人のホモサピエンスとして感じるのだ。
原始の人のようにね。
そして認識する。至って単純に。
そうすることで何かしら感じる。そしてあらたな発見もある。

 

10年前、ここに全部ある。
そう信じてこの藤枝の田んぼに関わりはじめた。
それがつい最近のことのように思われる。
10年通ってみて少しだけ胸を張って云えることがある。
本当に全部あった。

 

こういう10年を経験できたことが幸運だったと思う。
そして次の10年もそう云えるようにしたいと思っている。
その始まりである11年目の田んぼ通いは、来週なのかもしれない。
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画像上:ひこばえの白化が始まった。

画像下:冬枯れの季節。あっという間の一年。

2010年12月26日 [ 3862hit ]
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