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記憶の地平【3】

人前でお話しをする機会が、今月と来月そして年明けにある。お話しする内容はカミアカリをはじめ、これまでアンコメや僕自身が考えてきたアイデアやプラン、そして実際にやってきた活動のことなどのこと。今それらを毎晩整理している最中なのだけど、整理していたら、その話しの源泉は過去の記憶にあることに気づいた。そこで、その整理かてら、このコンテンツで少し書いていこうと思う。ご迷惑かな?まあちょっとお付き合いくださいな。

 

記憶の地平【3】1976年

 

中学生になった僕。
東海道本線、急行東海3号で従兄弟の住む湘南、藤沢へ一人旅。
一つ年上のHと一つ年下のK。そして僕。
つるんで映画を見に行った。
「Rocky」だった。
映画館を出た僕らはあのテーマソングにのって意気揚々と藤沢のダウンタウンへ。
そこに見慣れぬ店。スーパーでもないし、デパートでもない。
オープンしたての「東急ハンズ」その1号店だった。
13歳の僕の心は驚きに震えた。

 

それから7年後、この商空間を企てた人がいることを知る。
その人のその本には、この商空間の深層についてこう書かれていた。

 

「世尊拈華 拈華微笑」

 

釈迦が霊鷲山で黙然として華を拈って衆生を示した時、誰もその意味を解せなかったが、
ただひとり迦葉だけが真意を覚って微笑したとされる説話である。

 

その本の出会いから25年後、僕の心を震わせたその張本人に会った。
そして少しだけ話した。
大きな人で、釣りの話しをしていた。
歯が立たないとは思ったが、小さな嫌味を言った。
たぶんこの人にとっては蚊の一撃にも満たないことだったろう。

 

彼の「手」によって作られたその世界で、少年の僕は心を震わせていた。
彼の手によって作られたことも知らずにね。
悔しくて悔しくてしかたがない。
だけど、楽しかった。その時も、それを知った時も、そして今も。

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'76だとこれだったんだね。The Rolling Stones - Crazy mama

2010年10月07日 [ 3726hit ]
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