カミアカリについて話す。【3】
2001年、カミアカリを初めて食べた時、「これは新しい穀物との出会いだ・・・」という印象を持ちました。それほどまでに、カミアカリは他の米とは違う個性を持っていたのです。トウモロコシのような香り、複雑で強い味、ナッツのようなプチプチとした触感、それらが作り出す風味風合いに驚いたのです。
じつは、栽培者である松下明弘さんが手掛けているお米には、もともと他にはない風味風合いがありましたが、彼のカミアカリは、それらをより強く、はっきりと、しかも洗練されたモノとして感じることができたのです。そこで、こんな疑問が生まれました。
「この風味風合いはどこからやって来るのか?どのようにして生み出されるのか?カミアカリが原因なのか?それとも栽培過程が原因なのか?」
本格栽培を開始した19年産では、藤枝の松下圃場のほかに、茨城奥久慈、福島会津の2ヶ所で栽培され、異なる風土、異なる栽培方法、異なる人によって生まれたカミアカリを試食することができました。その結果は、じつに興味深く、三種三様の風味風合いを持ったカミアカリが生まれたのです。それによってカミアカリは、風土や栽培方法、人柄など、稲作に関わるハードとソフト両面を写す鏡のような存在であることに気づいたのです。
( カミアカリドリーム )
2010年02月18日 [ 4897hit ]