TOP  >  ankome通信  >  カミアカリドリーム  >  第21回 食べた!学んだ!カミアカリドリーム第2回勉強会<前半>
第21回 食べた!学んだ!カミアカリドリーム第2回勉強会<前半>

 どこから書こうか・・・。それくらい今回の勉強会は、やや盛り込み過ぎだったけれど、内容充実、刺激充分だった。これをどんな言葉で説明したらいいだろうか?はたまたどれくらいの時間が掛かるだろうか?心地よい疲労感とともに今、キーボードを叩き始めたところだ。

 

 参加者は全部で40人オーバー、予想以上の来場者でカミアカリと、その活動に対する関心の高さを実感する。会場のキャパが36人だから椅子を他の部屋から借りるなど、手弁当で集まってくれたスタッフは少ない準備時間の中でテキパキと動いていてくれた。
そうだ、スタッフのこと書かなきゃいけないな。
今回この勉強会開催に向けて集まってくれたスタッフは4名。そのすべての人間がじつは米業界の人間ではない。民俗学の研究者、ガス店店主、有機野菜の生産者、翻訳家である。そんな異色のキャラクターの面々が、カミアカリとその活動に何がしかのシンパシーを感じ、自分ごととして関わっている。
社会には様々に人々を分かつ壁があるものだが、カミアカリドリームが目指すパラダイムには、そういった人々を分かつ壁は何もない。それを象徴するようなスタッフ陣なのだ
「センセ迎いに行くから・・・」と、代表者の小生は、今日のゲストスピーカーの松下電器産業の加古さんを静岡駅まで迎えに行くため、準備のすべてをスタッフに任せ現場から離れてしまったが、まあなんとか午後1時半には無事勉強会はスタートしたのだった。

 簡単な挨拶の後、前半の試食会がスタート。今回は、4ヶ所で栽培したカミアカリを土釜と松下電器製IH式炊飯器(玄米モード)、二つの方法で炊いたものを同時に試食するという、これまであまり経験のないことを参加者に経験してもらった。
今年平成19年にカミアカリ栽培したのは、静岡県藤枝市の松下さん、茨城奥久慈大子町の大久保さん、福島会津熱塩加納町の菅井さん、静岡県磐田市の柴田さんの4人の生産者で、会場中央に「ゆとり庵」の植田さん土釜で炊いたカミアカリと炊飯器で炊いたカミアカリを設えた。
参加者は4種類のカミアカリを、「外観」「香り」「旨み」「粘り」「硬さ」「食感」という風に5つの項目を書いた評価表に基づいて、それぞれ官能していくのだ。
会場内は「違いますね〜」という声や、「違いがわからないよ・・・」という声や、「土釜と炊飯器では食感が違うね・・・」など様々な声が聞こえてくる。
30分間の試食タイムの後、カミアカリを栽培した4人の生産者から、「いいわけタイム」と題して栽培にあたっての感想などを話してもらった。

 

 

 1番バッターは松下さんからだ。
「松下です・・・今年最も見た目の悪いカミアカリを栽培しました・・・」(一同爆笑)
「稲刈り直前の台風4号とそれから数日間の雨のせいで穂発芽してしまったんです」
「ところが食べてみると、凄く甘かったんですよ・・・」
「稲は発芽するためのエネルギーにデンプンを分解して糖を作るんですが、その甘さが直接この味になっていると思われます。不幸中の幸いというわけです・・・」
「来年からは稲刈り直前に台風乞いをしてみようかと思っています・・・」(笑)
ありのままを伝える松下さんらしいコメントでした。

 2番は大久保さん。前回、とある事情から参加できなかった大久保さん悲願のご登場である。
「体は大きいですが控えめな大久保です」
「カミアカリ、面白そうだな〜という思いから今年仲間に入れてもらいました。」
「じつは最初、育ちませんでした、田植えをしてから2週間ぜんぜん動かなかったんです・・・」
「うちの親父と、『静岡の(親父さんはカミアカリをこう呼ぶ)はダメだな・・・』と言っていたのですけど、一ヶ月経ったら、どこの田圃のコシヒカリよりも、みごとな姿になったのです」
「松下さんからは『ふつうに真面目に、余計なことはすんな』と言われていたので、そのとおりふつうに真面目に栽培した結果がこれです」
そんな風に今年初めて栽培したカミアカリの印象をこんな風に語ってくれた。

 3番は菅井さん。これぞホンモノの控えめである。
「福島県の喜多方から来ました菅井です」
「今日食べた中で一番不味かったんじゃないでしょうか・・・」
「うちの米だけ硬く感じたのですが・・・その原因は・・・・いもち病かもしれません」
「今年会津地方は観測史上最も日照時間が少なく、各地でいもち病が発生したんです」
「梅雨明けも遅かったせいで窒素分が後半まで残ってしまったのが影響しているかなと・・・」
「他のカミアカリを食べてみて、うちの土壌とは違うなということが解りました・・・」
会津人らしい控えめなコメントですが、本人が言うほどの彼のカミアカリは悪くないのです。というより品質的には一番良質でした。

 4番目は柴田さん。
「柴田です」
と、話し始めたのは松下さんです。柴田さんは都合により参加できず、代わりに松下さんが預かってきたコメントを発表しました。
「台風4号にかなり叩かれて品質的にはあまり良い出来ではなく、今日はぜひ参加したかったけれど、逆に行けなくなってホッとしました」
「カミアカリ以外にも3種の巨大胚芽米を栽培しているけれど、その中では最も良い仕上がりだったと思います」
残念ながら今回は不参加でしたが、いずれカミアカリと、それ以外の巨大胚芽米との試食会をする上で柴田さんにはお世話になるはずである。その時にまたしっかりとご登場いただこうと思う。

 

 いいわけタイムの後は、参加者全員によるディスカッション。この勉強会では、すべての立場の人達に様々な意見を言ってもらい情報を共有することも重要な目的のひとつ。最初に口火を切ったのは、ゆとり庵植田さんからだ。

 

image 植田さんには今回4種類すべてのカミアカリを土釜で炊いてもらったのだが、話しはそのあたりからはじまり、そのコメントを叩き台として、数名の参加者が思い思いのコメントを発表してくれた。
「いつもは数回テスト炊飯をしますが、今回はイコールコンディションにするため、あえてテスト炊飯をせず、一発勝負で炊飯してみました」
「で、結論から言うと、ワイルドなカミアカリと上品なカミアカリが炊き上がったように感じました」
「大久保さんのは薄味で上品な感じ、薄味好みの方に好まれるのでは?」
「逆に菅井さんのは力強い感じ、味も濃い、甘みも強く、若者好みなのでは?」
「柴田さんのは、一般向け、先入観なくふつうに食べたい人が好むタイプなのでは?」
「松下さんのは菅井さん同様に甘みも旨みも濃い、ただふっくら感が足りないような・・・」
「まあ私の炊き方の問題かもしれませんが・・・」
「全体の印象はやはりこのカミアカリの特徴がしっかり出ていると思います」
「また栽培地による違いの差もコシヒカリよりもはっきり出ていて、このお米の奥行きの深さ、幅の広さを感じました」

 次はカミアカリの命名前からこの米のことを「デカハイガー」と呼んで影ながら応援していただいたTさんのコメントです。
「松下さんのは暴れん坊的、大久保さんのは夏っぽい香り、菅井さんのはやさしい感じ、柴田さんのはバランスのとれた印象ですね」
「炊飯による違いは、土釜の方がそれぞれの個性が出ているのに対して、炊飯器のほうは食べやすいけれど、味がやや平均化している印象を持ちました」

 お次は酒造家のAさんのコメントです。
「植田さんがおっしゃった松下さんのカミアカリにふっくら感がないのは、単純に皮が厚いせいではないでしょうか?そのあたり松下さんどのように考えますか?」
それに対して松下さんは、
「じつは私もそういうことを考えていました」
「菅井さんと私のお米は表皮(糠層)が厚く、逆に柴田さんのは薄く、その糠層の厚みがそのまま米の味につながって厚い表皮の米は濃い味に仕上がったのかと思いました」
「ちなみに菅井さんと私は有機栽培米(無農薬無化学肥料栽培)、大久保さんと柴田さんは特別栽培米(減農薬減化学肥料栽培米)、そんなところにもなにか原因があるかもしれませんね」
と松下さん。
「全部を食べてみて、栽培される方の人柄が米の味に通ずるような印象を持ちました」
酒造家のAさんらしいコメントでした。

 お次は川崎から来てくれた五ッ星お米マイスターSさんのコメントです。
「松下さんのを食べたら、いきなりガツンという印象で存在感を感じました」
「大久保さんのは粒ぞろいも良く整った感じ、香りも良く、味の濃さが際立っている印象を持ちました」
「柴田さんのは個人的に食感が一番好きで、甘みを伴う風味があって、その後にさらに旨みがあるようなイメージ、味にどっしりとした印象でした」
さすが、五ッ星お米マイスターらしいコメント、私も見習いたいと思います。

 お次はフォトグラファーTさんのコメントです。
「どれも美味しくて、同じ品種なのに、こんなに違いがあることに面白いと感じました」
「また、炊き方を変えるだけで、これだけ違いが出るということに興味を惹かれました」

image お次は雑誌編集者Sさんのコメントです。日ごろ松下カミアカリのユーザーでもあります。
「私、お米好きなんですが、固体よりも液体の消費のほうが多いと思います」(一同大爆笑)
「日ごろ圧力鍋で炊いているのですが、土鍋で炊いた松下さんのカミアカリは、彼の米ならではのワイルドでクランキーな普通のお米の常識を覆すような強さがあるなと・・・これからは土鍋で炊きたいと思いました」
「大久保さんのは、粒々感が際立っていて綺麗だなと思いました・・・甘みはIHのほうが出ているかな・・・」
「菅井さんのは、やわらかで穏やかな印象、柴田さんのは、玄米に抵抗のある人でも食べられる馴染みの良さを感じました」

 お次は玄米ビギナーのMさん
「初めて食べてみてヌカの香りに、抵抗感がなく美味しく感じるのに驚きました」
「ヌカの香りがおかずになる、ご飯だけでご飯が食べられる、完結できると素直に感じました」
「いろいろありますが、一番言いたいのは、カミアカリ美味しかった!」

 お次は企業として新品種販売戦略を企画されているKさん
「平成20年産はどれくらい栽培しますか?」
いきなり業界ならではの質問で一同大爆笑。でもこれ、じつはとても重要ことなのです。この件については、またあらためて計画を立てる機会を作るということにします。
「僕の一番好きなのは大久保さんのカミアカリ、IHでは柴田さんのが良い印象を持ちました」
「それぞれの生産者の作りとか思いとか人柄を実感するには土鍋のほうが良いかなと感じました」

 

 今年栽培された4種のカミアカリの印象を、このように数名の参加者が語ってくれました。しかし発言をしなかった方の中でも様々な印象を持った方も多く、それは食味についての印象を書いてもらった用紙を読むと、たいへん興味深いことがたくさん書かれていました。その内容については、またこのコンテンツで発表する予定です。

 後半は、今回のゲストスピーカー松下電器産業の加古さんの講演会です。この続きは次号、第22回 食べた!学んだ!カミアカリドリーム第2回勉強会<後半>へ続きます。

2007年(平成19年)11月20日

2007年11月20日 [ 2390hit ]
このページを印刷
カテゴリ内ページ移動 ( 152  件):     1 ..  128  129  130  131  132  133  134  .. 152