蔵の中。

 

ここは米蔵の中。アンコメの低温倉庫。つい最近、空調のスイッチが入った。
庫内は温度は14.5℃湿度70%弱。今日は外気温は25℃以上だけどここは冬のよう。
こんな倉庫がアンコメにできたのは僕が小学生の頃。昭和40年代。
その後、中学生の頃に今の大きさにまで規模拡大したんだ。
アンコメの高度成長期の歴史そのものだね。

 

お米は稲の種子だから常温に置いておくと時間の経過に伴って発芽しようと活性化する。
そのことはすなわち穀物としては品質が落ちるということ。
気温が上昇すればよりそのスピードは速まる。
だから活性化しないようにいつも冬だと錯覚させて休眠させておかなければならない。
この環境ならば米につく虫やカビの発生も防ぐこともできる。一石二鳥なんだ。
冬は放っておいても14.5℃以下だから空調は停止し加湿器だけが静かに駆動している。
日によっては庫内が霧で覆われている時もある。なかなか幻想的でもある。
お米の品質を守るためにこんな環境があって常に販売量の約3?4ヶ月分をストックしている。
日ごろここから小出ししながら販売しているというわけだ。

 

そんなアンコメの低温倉庫は毎年大型連休前頃になると空調が自動的に起動する。
つまり庫内が14.5℃を越えた証拠。
これから夏に向かってこの設備は米屋にとっては欠かすことのできない。
なぜなら品質が良く美味しいお米はできる限り長い間「美味しいごはんですね・・・」と云ってもらいたいから。

 

でもこれらすべてのことは、
たくさんの電気を使って享受している美味しさなんだって思わなくちゃいけない。
こんな風に作り作られてきた欲求を満たす善意の努力はカタチを変えてニッポンの隅々まであるんだろうな。
打ちでの小槌だと錯覚した発電機が満たしてくれていたんだ。

 

さあどうする?
ボクの住む街の近くにあるあの大きくて強すぎる発電機は今日止まったよ。
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