Rustique【リュスティック(仏)素朴な、田舎風の、野趣な】と呼ばれるパンがある。
ドンクの生産本部顧問で、ニッポンのパン職人界のオーソリティ、仁瓶利夫さん。人によっては「神様」と呼ぶ人だってある。その仁瓶さんが、僕の隣でニコニコしながら、そのパンを千切ってくれた。
僕は、数種のバゲットをひと通り食べた後、「これが好きですね・・・」と手に取ったのが、そのリュスティックだった。
風味のバリエーションが他のとは少し賑やかで、触感もモチをイメージするものだった。色合いからして少しくすんで見えるそのどこか洗練され過ぎてない感じが、穀物由来の食べ物であることをイメージさせてれたのだ。
「リュスティックを直訳すると・・・そうだな〜『野趣』かな・・・」。
その言葉を聞いて、合点がいった。同時に、かつて初めてカミアカリを食べた時のことを思い出したのだった。
悪く言えば雑味が多く、ノイジーな印象のカミアカリを、ポジティブに捉えた時に生まれた言葉、それが「野趣」だった。複雑な味と香り、それらがスムースな触感に乗って賑やかに感じとったのだ。少し粗野で、洗練されてないその感じこそ、玄米の魅力、そして巨大胚芽米カミアカリの魅力だと感じたのは、その瞬間だった。
その時に近いニュアンスを今回、仁瓶さんの取材で感じ取ったのだった。
7月18日(日)第7回カミアカリドリーム勉強会のテーマは「バゲットと虚と実」。サブタイトルは「細長いバゲットは都会のパン。庶民の胃袋を満たす主食。それはまさにニッポンのご飯そのものなのだけど・・・」このテーマに向かって、只今準備中。
そのための取材で、僕(長坂)とナビゲーター役の石垣は、東京青山店で長時間にわたりお話しを伺った。
2人とも脳みそも、お腹もバゲットいっぱい。それらを持ち帰り、これからじっくりと消化して、仁瓶さんがおっしゃる「それを生んだその国の文化に敬意を表してほしい・・・」
その意味するところが伝わるべく、きちんと練り上げたいと思っている。
画像:東京ドンク青山店にて。仁瓶利夫さんご自慢のバゲットと共に4時間ノンストップの取材だった。
謝辞:仁瓶利夫さん、ドンク青山店の皆様、長時間にわたり取材にご協力をいただきましたこと、誠にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
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