深く。
弥生時代の復元水田で木の鍬で耕してみたんだ、
そしたら表層3〜4センチくらいしか耕せなかったよ・・・
と、僕の体験を松下に話すと、
そうだろ。そんなもんなんだよ。
人力や牛馬で深く耕すと言っても実際に起こせるなんて、せいぜいそんなもんなんだよ。
疲れを知らない怪力トラクターの『深く』とは違うんだよ・・・。
4月末から種蒔き作業と同時に耕起作業も本格化する。
この日(4月28日)は朝から田んぼ、松下を探して散らばっている田んぼをクルマで回る。
予想はハズレ、母屋の近くで青いトラクターを発見した。
ガラガラと音を立てレンゲ満開の田んぼを行ったり来たりしている。
レンゲは緑肥、緑の肥料。耕しながらちぎり倒していく。
ちょっと可愛そうだが、これが稲が育つための栄養素。
もうじきその姿が稲に変わるだけのこと・・・と思えばいいのだ。
松下は深く起こさない。表層だけ浅く起こす。
「起こす」というよりも、「かじる」という感じ。
地上部にあるレンゲなど春草や稲の刈り株や藁などと地下4〜5センチの間を片っ端からかき回す。
けれど、この空間内の微生物層(好気性菌)の住環境は壊さない。
それどころか彼ら微生物たちのために少しだけ手伝いをしただけ。というべきだろう。
けっして生の有機物を嫌気性菌の住む地下へは鋤き込まない。つまり運ばない。
かつて人や牛馬の耕起作業ではこの微生物層の住環境は壊さなかった。
いや、壊すほど深く起こせなかったのだ。
人力や牛馬のポテンシャルの「深く」と、疲れを知らない怪力トラクターの「深く」ではまったく意味が違う。
そのことは松下から散々聞かれていたのだが、木の鍬で耕してみた時にようやくそのことが腑に落ちた。
深く、とはどれくらいのものなのか?
それを深く考えて、体感してその深さを知る。
深いな〜。
いや、深くないのだ。笑。
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画像上:レンゲもいよいよ見納め。
画像中:これがドライブハロー。じつは代掻き専用パーツ。
画像下:かじる。
( アンコメ米作りプロジェクト / 2013年度 )
2013年05月03日 [ 6069hit ]