TOP  >  ankome通信  >  カミアカリドリーム  >  カミアカリツーリズム 大久保カミアカリを知りつくせ!レポート5
カミアカリツーリズム 大久保カミアカリを知りつくせ!レポート5
 
 
8月25日〜26日カミアカリ生産者4人衆の一人、
大久保秀和さんの田んぼのある茨城県久慈郡大子町(だいごまち)へ行ってきました! 
 
 
 大久保家のある山田野出畑へ。ここは久慈川支流の押川より一段高い段丘の上。野出畑は大久保家を含め現在13軒ほどの集落で、そのうち8軒が古くからの草分け的な旧戸。屋敷の向かい側の山道を登ること10分。小山の山頂近くに龍神さんの祠があった。この地域の人たちが親しみを込めて呼ぶ「龍神さん」は田畑には欠かすことのできない水をつかさどるカミサマ。祠には「八龍神社」と刻まれ、平成十六年二月吉日に大久保家をはじめ7人の講中でこの祠を建てたことも刻まれている。
 
 一般的にはカミサマの祠というのは、南ないしは東向きであるのだが、この龍神さんはなぜか西向き・・・?
「田んぼを一望できる方向に向けたのではないか?」と、大久保さん。たしかに龍神さんの視座は押川沿いの山田地区の田んぼを眺めていらっしゃる。現在では春にみなで集まり、龍神さんに御神酒をあげてまき餅をする。大久保さんのお祖父さんの代では、水が涸れたときに雨乞いの神事を行ったこともあったそうだ。
 
 また、大久保さんからは「天道(てんとう)さん」をまつる話も聞いた。天道さんは太陽を拝む信仰のひとつで、年に一度、4月1日に天道山に登り、おまつりをする。以前はこのときには、天道念仏を行った。鉦や太鼓を叩きながら太陽を拝み念仏を唱えることで稲の豊作を祈願してきたのだ。
 
 このほかにも野出畑からは少し離れた山の頂に、となりの大沢集落と共同で「御嶽山」をまつっている。5月の祭日には、山頂をはさんだ山田集落と大沢集落の人びとが御神酒や料理を持ち寄り、山の上で神様と飲食をともにする。じつはこの祠、今年の春、まだ寒い頃に再建されたとのこと。大久保さんをはじめとする地区の若衆が急斜面を登り真新しい石の祠を安置した。その日のことを語り草のように話す姿はとても気持ちよく、神様仏様を敬う心と共同体の濃いつきあいが垣間見える。こういう暮らしの中の様々が大久保さんの農なのだと実感しました。
 
_
 
画像上:龍神さん。夕陽の沈む方角に鎮座されてました。
画像中:大久保さんが前日に草刈りしてくれたおかげで歩きやすかった。
画像下:山道の入り口にありました。歯痛地蔵菩薩。2年前の静岡藤枝市で行われたツーリズムの時にも松下さんの田んぼ付近にありました。
 
2012年09月17日 [ 4368hit ]
このページを印刷
カテゴリ内ページ移動 ( 164  件):     1 ..  70  71  72  73  74  75  76  .. 164