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東北ロード1700キロ 8月6日 十日町市中里
 
 
毎年6月から8月には産地へ行く。
アンコメで販売している米の故郷をできるだけひとつひとつ訪ねることにしている。
田んぼを見、生産者とゆっくりと話しをするために行く。
とくに、それぞれが持っているそのままを感じとることを大切しているつもりだ。
 
8月6日〜9日の4日間東北を中心に周った。
今回は一人旅ではなく、南伊豆の若き稲作生産者中村くんも同行した。
米どころの稲作を勉強したい・・・。
自らの稲作に手ごたえを感じつつある今、そんな気持ちになったらしい。
そこで今回はタイプの異なる生産者、生産者団体を6ヶ所訪ねた。
 
 
初日は新潟からスタート。
魚沼コシヒカリの産地のひとつ十日町市中里地区。アンコメでは新潟魚沼中里コシヒカリの名前で販売しているお米。
アンコメではこれまでカントリーエレベーターから出荷されたお米についてやや懐疑的な感覚を持っていました。
しかし、ここのお米を扱いようになってからは、その考えを改めました。
なぜなら品質が半端なくいいこと。もちろん食味が素晴らしいこと。
なにより収穫されてから2年近く経過している22年産(当店の在庫)であっても、その品質にまったく変化(低下)を感じないからです。
 
ここのお米はこの中里地区で栽培されたお米の中で基準を満たしたお米だけが
カントリーエレベーターに集められるそうです。
そのためにすべての生産者のお米の品質を個別に検査するシステムもあります。
その選ばれたお米をDAG(Dry Air Generator)というシステムで乾燥しています。
これは従来の火力乾燥ではなくエアコンのような機械によって瓶と呼ばれる米乾燥用タンク内に空気中の水分を除去し乾いた空気を送り、ゆるやかに乾燥する方法です。
 
こんな風にいうとDAGがいいように思えますが、
現場の担当者曰く、DAGがお米の品質を良くし、美味しくしてくれるわけではないこと・・・。
あくまでも栽培段階で良質なお米が生まれ、その品質と美味しさを守るのがこの仕組みなのだと・・・。
そこでさっそく田んぼへ。
 
田んぼを見る時は、まず最初に全体感を見る。
風景の中に違和感がなければ概ね良好。
とくに畦周りがきちっとしていると緊張感がある。
ここの田んぼはまさにそんな風。
反収で7〜8俵。理想的。
こんな棚田地帯ながら水周りはすべて一枚一枚管理できるように蛇口式。
しかも水位も自動でコントロールできるハイテク装置付き。
さすが魚沼!まさに「田園」調布でありました。
稲(コシヒカリ)はちょうど出穂しはじめたところ。揃うのは14日頃。
そこから約45日で収穫とのこと。
 
栽培から調整乾燥、出荷までの産地にできるすべてのことがハイレベルだとこんなにも品質がいい。
中村くんにとってどんな風に感じただろうか?
農協という組織だからできる生産システム。それを最大限活かして勝負しているこの感じ。
いわば中村くんのようなインディーズ的農家の対極にある稲作の姿の典型。
きっと刺激的なひと時だったにちがいない。
 
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画像上:中里地区のコシヒカリ。ちょうど出穂しはじめたところ。
画像中:田んぼの水位を自動でコントロールするハイテク装置もあった!
画像下:これがDAG(Dry Air Generator)の内部。まるでSF。秋にはこの中がお米(籾)でいっぱいになる!
 
2012年08月13日 [ 3985hit ]
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