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水田徘徊 亀の尾、礼賛。

 

八月五日午後

 

遊佐を出発し齋藤さんと共に月山の麓、庄内町の熊谷神社へ行く。
ここは明治時代の品種、「亀ノ尾」の発見の地。
水稲を生業とする者にとっては巡礼地と云ってもいいくらい大切なところだと思う。

 

亀の尾は現代水稲品種の祖。
コシヒカリをはじめ、今我々が日常的に食べているお米のほとんどの品種には「亀ノ尾」のDNAがある。

 

明治26年阿部亀治が冷立稲の突然変異株を冷たい水の入る田んぼの水口で発見したのがはじまり。
その場所が熊谷神社前の田んぼだったわけです。

 

巨大胚芽カミアカリはコシヒカリの突然変異。98年に松下さんが発見した。
阿部亀次と松下明弘、
境内を歩きながらこの二人の稲オタクが時空を越えてシンクロしているように僕には感じたのだ。
目頭が熱くなった。
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画像上:熊谷神社鳥居前。今は駐車場になってしまったがここに亀ノ尾発見の田んぼがあった。
画像中:祝詞と蝉時雨。変わることなく地域の人達の信仰の場なのだ。
画像下:資料館で見つけた写真。阿部亀次と発見の地。

2011年08月09日 [ 3771hit ]
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