ゼロ点。
今日最終の荷物。夕方にヒノヒカリ入荷。
松下の22年産もすべてアンコメの低温貯蔵庫に入った。
さすがに疲れの見える様子の松下、カフェアンコメでとっておきのモンブランと紅茶でくつろぐ。
始まるいつもの会話。
松下が、「米屋のいい訳」コンテンツで書いている「記憶の地平」について僕に聞く。
「メキシコのお爺さんのこと分かるよ。存在していることが証明なんだよね・・・俺にとって初めて無肥料無農薬で実験したあの年と同じことなんだよな・・・周りの人は2俵しか獲れなかったって云ったけど、俺は2俵も獲れたと思った。これが俺のゼロ点だとね。2俵分の存在証明が俺自信なんだと分かったんだ・・・」。
僕は、うれしくなった。
つまり、松下と僕は同じ時期に、同じような迷いに入り、
その迷いから脱出するために自ら選んだ療法を試していたというわけ。
そしてルートと手法こそ違え、ほぼ同時期に迷いから脱出していたということが分かったから。
僕の選んだその手法は、減感作療法的だった。じっくり時間を掛けて、ゆっくりゆっくり考え見つける方法。
いっぽう松下は、ショック療法と云っていいだろう。それは青年海外協力隊での2年間アフリカである。
正直、僕は同時期に海外へ出た仲間に対して少しコンプレックスを持っていた。
「なぜあの時、僕はあのバブルの日本を出なかったのか?」ってね。
でも今日、ようやく分かった。
僕はショック療法を選ばなかっただけだとね。
ヒノヒカリは明日試食して、その魅力を探します。
時間を掛けてゆっくりとね。
これもまた僕の探し方。
バトンを渡されたアンコメが走る番です。
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画像上:あさひの夢圃場脇作業路。10月15日。
画像下:松下の米4種、すべて入荷。10月20日。
2010年10月20日 [ 7745hit ]