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11月29日号 石川英輔+松下明弘講演会に行ったの巻
リニューアルオープンフェアの最終日1月26日(土)当店が企画したオープン記念講演会、「松下明弘 農を語る」のために松下くんが来店してくれた。あいにくの曇天で寒い日にもかかわらずご来場いただいた方には、この場をかりてあらためて感謝申し上げます。

講演会というよりトークショーといった風情で"おしゃべり松下くん"のはなしははじまった。「僕はもともと野菜のエキスパートなんですよ・・・。」と意外な発言!農業高校卒業後、恩師に気に入られ同じ高校で教務助手をし、学生に野菜の手ほどきをしていたとうのが彼のプロファーマーのスタート。だから大方の野菜の作り方はおてのものなのだ!根っからの米オタクだとかたく信じていたぼくらは、いきなりカウンターパンチをくらったかっこうになった。

20代前半過ごした青年海外協力隊でのアフリカ体験は彼のその後の「農」に決定的な影響をあたえるきっかけになる。「雨季が去り肥沃になった大地に種をまき芽がでて成長し実がつけば収穫する」この単純な農をくりかえすことで、飢えもなく暮らしてきた土地の人からしてみれば、毎日朝から晩まで「あれがないこれがない」と右往左往する日本人青年を「ヘンなガイジン」とあきれ顔で見ていたにちがいない。土地になじみ土地の人になりつつあった彼がお天とさんに任せておきさえすれば後は楽しく過ごしていればそれでいいのだと分かった時から彼は開眼したという。

と同時に自分が漠然と信じていた"日本の農業"がお金がなくては、なにもできないひ弱な農なのだとうのに気が付いた。種にいくら、肥料にいくら、農機具にいくら、それを維持するのにいくら、時間当たりいくらで作って、実ったものをいくらで売るのか?すべてお金という対価におきかえることによってしか農が評価されていないことに対する素朴な疑問・・・・・。といいつつも彼自身の今の農は「機械に囲まれ、時間と格闘して、お金にまみれての農ですけどね」とも言っていた。

しかし聞いているぼくらには彼が魂までは売り渡していないということは一目瞭然である。 アフリカ時代のおもしろいはなしをもうひとつ、それはボールペンの色のこと。お土産に日本製ボールペンを持っていけば大喜びすると思ってもっていくと最初は予想どうり喜んだ、ところが数分後みんな一様にいぶかしげな顔、理由は簡単、黒のボールペンだったからなのだ!永らくヨーロッパの植民地だったアフリカの多くの地域は一般にブルー(正式な文書はすべてブルー)よくよく聞いてみると黒いボールペンは日本だけ?だという。要するにヨーロッパはインクのブルーから日本は墨の黒がそのルーツであるとのこと。文化のちがいというのはおもしろいなと思うと同時に、こんなささいなことがきっかけでヘタをすると摩擦が起きるのかなとも想像を巡らした。

松下くんのおはなしは、まだまだつづくけれどつづきはいずれこのサイトにご登場いただいて自ら語ってもらうことにして今日のところはペンを、いやキーボードを置きます。


 
松下明弘講演会
松下明弘講演会
2001年01月14日 [ 5070hit ]
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