電話にて。
夕方、山形件遊佐の稲作生産家、齋藤さんと電話で話す。
「どうですか?そちらの天気は・・・?そして仕事の進み具合は・・・?」と訊ねた。
「寒いですよ・・・仕事が進みません・・・」
種蒔をしたけど、気温が低いため芽が出ない。田圃の水もなかなか引かないので、入ることさえできない。要するに「何もできない」という状況が、ここのところ続いているそうだ。
じつは午前中、茨城久慈郡の稲作生産家、大久保さんとも電話をし、ほぼ同じ質問をしていた。
「どうですか?そちらの天気は・・・?そして仕事の進み具合は・・・?」
すると第一声、「ゴメンなさい!忙しくてうっかりしてました〜」。彼は今、僕の依頼もうっかり忘れるほど田植えまでの作業に追われているようだった。
地球儀で見るニッポンは海に囲まれた小さな島であり、そこに住む我々はさらに小さな存在である。まるで地球の表層にこびり付いている微生物のようでもある。微生物なのだから、このローカルな世界であっても広大かつ多様に感じる。
そんなことを思う時にマトリョーシュカを思い出す。この無限とも思える入れ子構造のどの部分に僕らは居るのか?僕らの視界は、外側と内側一つずつが、せいぜいだろう。少しでもいいから、外側や内側を見たいし知りたいものだ。
画像:2009年11月山形県遊佐の齋藤農場にて日本海を望む。
( 米屋のいい訳 )
2010年04月19日 [ 4222hit ]