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第17回 松下さんのカミアカリ販売開始。

 9月21日(金)ようやく19年産の松下さんのカミアカリが入荷しました。予定より数日遅れの入荷です。遅れた理由は、台風9号。じつはこの大型台風のおかげで、順調な仕上がりだったのが一転、思いもよらない被害を被ってしまったのです。

 

 松下さんの栽培方法は、有機農法。稲の自立を促すような栽培方法であるから、ちょっとした台風では簡単に倒伏(稲が倒れる)するようなことはまずありませんが、今回の台風の風雨は強力でした。カミアカリは倒伏までには至りませんでしたが、風に叩かれ、稲刈り直前の垂れた穂先は水位の上がった田圃の水に部分的に浸されてしまったのでした。
台風通過後も雨模様で、田圃の水が切れず、稲穂は濡れたまま数日を過ごさざるをえなく、その濡れた穂の一部の米粒が発芽してしまったのです。
じつは、カミアカリは穂発芽(穂の状態にある米粒が発芽すること)しやすいという欠点があるのです。米食人類には欠点とも取れるこの性質ですが、稲というひとつの生命という視点でみると、それそのものは欠点とは言い難く、脱粒性(実った米粒が取れやすい)と同様にある意味、稲の生き残り戦略としては優秀なのかもしれません。
発芽したお米による問題点はその見た目によるところが多く、食味においてそれが原因と思われる顕著な違いは感知できません。
その証拠に、入荷直後にIH式の炊飯器(玄米モード)で炊いたカミアカリは、例年以上に強い甘みと風味を持っていたのです。

 じつは、松下さんからは収穫前からこの穂発芽のことは聞いていたのです。そのことを聞いた瞬間、正直私はがっかりしたのでした。
「カミアカリドリーム設立したばかりなのに開発者本人の米がこれじゃ・・・」
そんな思いをいだき、「はてさてどうしたものか?」と、思い悩んでいる時に、カミアカリドリーム相談役とも言える私の精神的支柱、ゆとり庵の植田さんがタイミング良く現れたのです。
植田さんは、うな垂れている私に向かってこう言いました。
「長坂さん、これはこれ、一年一作、これは今年の作品、それをどう生かし、どう調理するか・・・そのままを受け入れればいいんじゃないですか・・・。」
全くそのとおりである。その一言で一気に気分が晴れたのです。カミアカリドリームはそういうことも含めてカミアカリのことすべてを伝えるための勉強会なのだ。良い時も悪い時も一期一会を素直に認めるべきなのだと。
というわけで、見た目はイマイチですが、風味たっぷり、味もすこぶる良好です。松下カミアカリ限定44俵(2640キロ)、まずは安東米店から販売開始です。(今後、安東米店以外でも販売を予定しています。販売店、販売開始時期については、このコンテンツにてご紹介致します。)

  • 静岡藤枝松下カミアカリ
    生産地:静岡県藤枝市青南町
    栽培者:松下明弘
    栽培方法:有機JAS認定 無農薬無化学肥料栽培
    玄米価格 1キロ¥790 5キロ¥3850 10キロ¥7600

2007年(平成19年)9月26日

2007年09月26日 [ 3232hit ]
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