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4月14日号 有機肥料原料の調達。

 「糠(ぬか)を貯めておいてくれ・・・」
毎年この時期になると松下から電話連絡が入る。今年栽培に必要とされる肥料原料をこの時期調達し、独自のレシピ有機発酵肥料(ぼかし)を自ら作るのだ。今年もまたその季節がやってきたのだ。ところが今年はどうも例年とは様子が違うという。
なたねの値段が高騰しているんだ・・・それと糠の集まりが悪い・・・」

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今年から高騰する菜種粕に変わって一部鶏糞を使うことになった。これも有機JAS認定基準を満たした素性の良い鶏糞である。糞と言えど、素性の良し悪しがあるのだ。鶏糞を加えた2008仕様も、例年どおりこの風呂の中で一定温度で発酵されぼかしとなる。

 松下有機農業を支える中心素材が軒並み値上げ、そして品不足という状況なのだ。要するにこれもまた、今の物価上昇の原因とされる穀物価格の高騰をダイレクトに受けているというわけだ。
その上、食品の安全安心への高まりによる、生産現場での有機的(風)農業へのシフトによる需要増
事実、当店にも多くの農家から糠の問い合わせが後を絶たない。そればかりか、毎週買っていく常連の農家さんさえも、いつのまにか以前の3倍近い量を持って行くようになったのだから、各地で足りなくなるのも理解できる。

 新聞を読んでいると国や県でも有機農業へ大きな期待を持ってニッポンの食の将来を描きはじめているようだ。しかし、その有機農業の素材である肥料原料を含めたグランドデザインはあまり見えてこない
「有機農業は結構だけーが、輸入有機肥料に頼ることが、有機農業って言えるのかね〜なんか釈然としないよな・・・」
「看板が変わっただけでやり方は同じということか・・・」
有機をきちんとやるには、作ることから喰いことまでの作法を問われるはずだよな・・・」
トラックに生糠300キロを積み終わり事務所で一服しながら、そんな話しをした。
「じゃあまた貯めといてね・・・貯まったら取りに来るから・・・」
そう言って松下は足早に田圃へ戻って行った。

 

何年も掛けてこの土地の気候風土を研究し独自のレシピを作りあげた。まさに松下オリジナル有機肥料。原料は糠、サバ節粕、それに去年までは菜種粕だったが、価格高騰のため今年から鶏糞がブレンドされることになった。それによる米の味、風味にどんな変化があるか?効き方にどんな違いが出るか?毎年新たな問題が表れ、それを解決してきた。そうやってもう20年近くやってきたのだ。何年も掛けてこの土地の気候風土を研究し独自のレシピを作りあげた。まさに松下オリジナル有機肥料。原料は糠、サバ節粕、それに去年までは菜種粕だったが、価格高騰のため今年から鶏糞がブレンドされることになった。それによる米の味、風味にどんな変化があるか?効き方にどんな違いが出るか?毎年新たな問題が表れ、それを解決してきた。そうやってもう20年近くやってきたのだ。

2008年01月28日 [ 3417hit ]
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