TOP  >  ankome通信  >  アンコメ米作りプロジェクト  >  2006年度  >  10月9日号 稲刈り快調の巻
10月9日号 稲刈り快調の巻

 台風なみの低気圧が列島沖をかすめて行った。その影響で北アルプスでは登山者が遭難、太平洋沿岸では遊漁船や貨物船が難破とテレビのニュースは伝えている。ところが連休中の静岡は、すばらしく良い日が続いている。10月の天気としては、いつになく暑くTシャツでちょうどいい感じ。そんな連休最終日田圃へ出掛けた。

 作業場に行ってみると案の定、松下くんが機械の前で作業をしていた。今年大規模に設備した米の調整乾燥設備だ。
「どうだい調子は?」と聞くと、
「おーッ順調!順調!云うことなし!」
少々お疲れ気味とはいえ、その顔には笑みが溢れている。一時は台風や大型低気圧が上陸するかと心配したが、どちらも強力な偏西風のせいか?松下くんの神通力のせいか?うまい具合に太平洋岸に沿って離れて行ってしまった。そんなわけで、暑いとはいえ毎日快晴で仕事の進み具合は快調とのこと、それでも心配が皆無というわけでもない。天気が良すぎて米が乾燥しすぎやしないかと、やきもきしているそうだ。

 「ところでヒノヒカリはどうだい?」と聞くと、松下くんはニヤリと笑って僕の肩越しの方を指差した。そこには30キロの米袋に入り検査を待つヒノヒカリがあった。
「稲刈りはおとといまでに終わって調整乾燥できたばっかりだよ・・・」
「全部で61.5俵。3690キロ。反収6.8俵。」と松下くん。
「反収6.8か、文句なしドンピシャだな・・・」僕はまだ試食もしていないにも関わらず、ヒノヒカリの出来に満足してしまった。
反収だけで米の良し悪しは決められないけれど、今の稲作農業において経験則として上限7俵良食味米の「越えてはならない境界線」だと僕は思っている。これは松下くんも同じ意見を持っている。薬を使わない(使えない)有機栽培において、病気に掛からない健康な稲を育てることが最重要であるが、その点から見ても、この反収7俵は「越えてはならない境界線」であるらしい。

 「一粒でも多く採りたい。」これは人類の悲願だった。しかしその悲願が現実のものとなった時、それは別のかたちで、我々に牙を剥く
欲をかく気持ちを抑えることは難しい。欲は人の本性でもあるように思うからだ。欲をかくなと言っても、欲をかかないのも人らしくない。
低気圧が接近する連休中、北アルプスに登った登山者はきっと白銀の峰を自らの眼で捉えたかったはずである。この気持ちは僕の中にもある。そこに「越えてはならない境界線」があったのだろうか?
反収7俵という「越えてはならない境界線」を目の当たりにする時、いつも考えさせらることだ。

 


作業場横の晩生品種、酒造用好適米「山田錦」。明日から稲刈り作業開始。 山田錦の反収はなんと反収5俵台!ヒノヒカリよりも丈が長く、粒数も少ないことから見るからに格好いい! 毎年、嫉妬する姿である。
作業場横の晩生品種、酒造用好適米「山田錦」。明日から稲刈り作業開始。 山田錦の反収はなんと反収5俵台!ヒノヒカリよりも丈が長く、粒数も少ないことから見るからに格好いい! 毎年、嫉妬する姿である。
2006年01月28日 [ 2602hit ]
このページを印刷
カテゴリ内ページ移動 ( 17  件):     1  2  3  4  5  6  7  8  .. 17