「きぬむすめ」が入荷してから4か月、「ハツシモ」が入荷してから3か月半、「にこまる」が入荷してから3か月と少し、あらためて「カミアカリ」以外の令和3年産の松下×安米プロジェクト米を食べながら、印象などを書いてみることにする。2回目は「にこまる」です。
松下×安米プロジェクト米「にこまる」
静岡の気候風土に合い、松下さんの圃場と栽培方法にも合う品種とは何か?その答えのひとつとして、登熟(成熟)時期が9月以降の中生あるいは晩生系を中心に据えて栽培をしてきた。「にこまる」は、その中でもっとも狙い通りのパフォーマンスを発揮している品種です。栽培を開始したのは2011年からで、のちに穀物検定協会が「静岡西部産にこまる」を特Aに格付け(2018年)する、7年前からこの品種のポテンシャルに注目し、静岡の気候風土と栽培方法に合っていると判断し栽培をしてきました。やや大粒で、はっきりとした歯ごたえと、なめらかで繊細な食感。水加減ひつとで柔らかくも硬くもできる柔軟さが静岡育ちの「にこまる」の特徴です。じつはこの柔軟なキャラクターは栽培している時にもその片鱗が見受けられます。
誤解を恐れず大げさに言えば、有機肥料とは効くタイミングがお天気次第。そんな調整の難しい肥料であっても「栽培期間が長い晩生品種ならどこかで帳尻が合うはずだ。。。」と考えたわけです。その目論見どおり「にこまる」は寒かろうが、暑かろうが、あらゆる状況に対してどこか鷹揚で、いなすようにして品質と食味のストライクゾーンへ着地する様は、じつに頼もしく安心感があり、このプロジェクトを支える中心品種となっていったのです。
令和3年産の入荷は10月21日、玄米の見た目はけっして褒められるものではないですが、精米品質はまったく問題ありません。翌22日にさっそく試食、食味についても先に述べたイメージどおりのもので、有機米で歯ごたえ粒感を好む方、またそのような食感に合うお料理にとっては、最良の選択と思います。ただし玄米で食べられる方は「令和三年産を食す(1)」でご紹介した「きぬむすめ」のほうが玄米品質良いので、こちらをオススメします。令和3年産いづれも量的にも充分で計算上では一年通して販売できるよう準備できたので、ぜひたっぷり味わっていただきたいです。
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