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高野6月19日号 あいちのかおり生育順調の巻

 友人からEメールで絵画の企画展があると誘いがあり梅雨空の下、掛川まで出掛けてみた。美大生だった頃には美術館や画廊巡りを日常的にしていたものだが、米屋稼業に没頭してからは年に数回行けばよい程度のご無沙汰状態である。もっともここ数年、田圃の中にアートを見つけてからは田圃こそが僕にとっての美術館となったものだから今でも日常的と云えないこともない。

 蒸し暑い外界から空調の効いた館内に入ると、そこは戦前、戦後を生きた日本の洋画家達の作品があった。その作品群の中で僕が気に入ったのは金山平三氏の2作品だった。広角レンズで捉えたような広がりのある農村の風景を描いた作品で雪の色と空の色がとても印象的だった。作品を眺めながら僕もいつかこんな空気感のある農村のひとコマを写真で切り撮れないものかと思った。

 僕にとっての美術館、高野くんの田圃までこの美術館から車で15分、様子を見に行ってみた。すでに栽培する4種類の銘柄はすべて田植えが済み、作業は一段落したところだった。さっそく彼が栽培するすべての田圃を見てまわった。その中で目を引いたのは作業小屋から少し離れたところにある田圃。田植えしてから10日程度しか経っていない上に元肥を入れない栽培方法のためか生長はゆっくりで大きさはまだ苗そのものという感じの田圃である。しかし周辺のロケーションの良さもあいまって田圃全体から伝わってくる空気感がとても良いのだ。松下くんがよく云う「田圃から伝わってくる全体の雰囲気が大切なんだ・・・」という言葉を思い出した。田圃は人が作る人工的な環境、そこに関わる人の技や思いが絵画のようにいつの間にかに現れるものだ。良い雰囲気を持った田圃は総じて健全でその米はやはり良い雰囲気を持っている。高野くんにこの稲に品種を聞くと「あいちのかおり」だと云う。「あいのかおり」は高野×安米プロジェクト17年産の主力品種、それがこの田圃だと後から聞き何やら縁というべきか?予感というべきか?稲のメッセージを感じたのだった。

 帰り道、今度あの「あいちのかおり」の田圃を訪れる時にはデジタルカメラに加えてポジフィルムを装てんした一眼レフを持って行こうと思った。金山平三氏の作品に影響されたのか久しぶりにわくわくするような興奮を感じ始めている。


田園


あいちのかおり


水入れる

今回の時間はこちら
田植え後10日、「あいちのかおり」を見回りをする高野くん。
田植え後10日、「あいちのかおり」を見回りをする高野くん。
2005年01月27日 [ 3302hit ]
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