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苗場に雨が降ってきた。

 

 
 
 
ゴールデンウィークには必ず一度は田んぼへ行く。
ちょうど種まきや苗作りで忙しくしているからだ。
だからといって手伝うわけではないのだけど・・・。
 
プロの仕事は気楽に手伝いものではないと僕は考える。
考えてみればわかると思うが、どんな仕事場でも突然素人の他人がやってきて、
手伝います・・・と言われたら、きっとみんな困るはず。
だから頼まれた時以外は手伝いはしない。
 
松下の稲作とは、松下ひとりで行えるよう、これまで様々な工夫、設備をしてきた。
ひとりではどうしようもないような力仕事の時だけ、近所の友人が手伝いに来る程度で、
用事がない時は他人が入る隙は、ほとんどないといっていい。
 
何年か前のちょうど今頃、思いもよらないトラブルに見舞われ、種まきを手伝った。
その時は深夜まで作業をし、家に帰り着いたのは午前2時過ぎ、
そんなことも、かつて一度だけあった。
 
今年は苗場を見るかぎり、今のところ順調そうだ。
松下は作業場にはおらず、朝からあちこちに散らばった田んぼで土木整備らしい。
午前中は園主のいない田んぼに繁茂する春草を枕に曇り空を眺めた。
そうこうしているうち、昼近くなったら雨が降り出した。
松下に会えぬまま帰ろうと思ったら携帯が鳴った。
互いに昼食をすませた後、作業場で合流、
今日もまた、いつもの長話しがはじまった。
 
 
毎年、最初の苗ができるとホッとするんだよな〜
 
 
20年以上やっていても、毎年の最初の一歩は緊張するという。
毎年で10種の苗をつくったとして20年で200回。
この緊張は回数が多いからといって、なくなるわけではない。
毎年異なるこの時期の気象条件、微妙に異なる資材、目に見えない様々な細菌・・・。
もちろん種籾だって一定ではない。自分の体調だって年齢とともに変化している。
気づかないところで刻々と変化する環境、状況に対して柔軟に対応していく。
経験と勘はもちろんだが、なによりロジックが土台があるからこそ、勘の精度もあがるというもの。
それでも毎年最初の苗づくりへの意気込みは、大げさにいえば人生初の苗づくりということなのだろう。
 
 
雨はさらに強まり作業小屋の屋根を叩く。
明日は外仕事はできないから久々の休み。
苗にとっても、松下とっても恵みに雨というわけだ。
 
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画像上:苗場
画像中:松下の道具
画像下:作業場にて
 
 
6/28(土)ロジカルな田んぼツアー(仮称)
松下さんの田んぼを見に行くツアーをホウネンエビの出現ピークの6月末に行うことになりました。静岡駅からバスで藤枝の松下さんの田んぼへ行きます。松下さんの著書「ロジカルな田んぼ」(日経プレミアムプレミアムシリーズ)の読者やカミアカリファンの皆さま、松下さんの有機稲作にご興味ある方、この機会にふるってご参加ください。ツアー詳細はあらためてリリースします。今しばらくお待ちください。

主催:そふと研究室 協力:カミアカリドリーム勉強会

 

 

2014年05月14日 [ 5769hit ]
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