今は、もうない3本の木
 
 
 
黄金色田んぼ。
稲刈り直前の「あさひの夢」の田んぼ。
毎年この田んぼの稲はとてもいい出来なのだが、今年はずば抜けて素晴らしく、その姿はとても美しい。
黄金色、言葉どおりの姿となった。
 
我、金色の野に立つ・・・。
まるでナウシカみたいな気分を味わえる。
 
じつはこの田んぼ、僕にとってはお気に入りの田んぼのひとつ。
気に入っている理由は、この景色がある。
 
借景
 
田んぼの背後に見える2つの存在。
南に赤い納屋。
東に3本の木。
毎年秋にになると、この二つ存在が金色の野を余計美しく見せてくれる。
 
ところが今年の春、その景色が一変した。
あったはずの3本の木がなくなってしまった。
界隈にある用水路沿いの土手に自生していた木々、
なんらかの理由で伐採されただろうことは想像できたのだが、どうにも残念でならない。 
 
思えばここを訪ねる度に、この木を借景として季節ごと田んぼの写真を撮ったものだった。
松下の農に興味を持ってくれた人が訪ねてくれば、必ずこの景色を眺めながら稲談義に花を咲かせたりもした。
この景色を眺めながらの会話は、時に時間を忘れ、なんともいい気分がしたものだった。
いつかここを訪ねてくる人のために、曲木の椅子を置いてみようかと本気で考えはじめた時だった・・・。
残念であるけれど今はこうして写真を見てもらうほかない。
 
今年の秋は残された赤い納屋がポツリと寂しそうに写真の中に収まっている。
素晴らしい出来映えだというのに。
 
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画像上:2013
画像中:2012
画像下:2011
 
2013年09月28日 [ 5260hit ]
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