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 巨大胚芽米カミアカリとは・・・。

 

巨大胚芽米カミアカリは1998年(平成10年)の秋、静岡県藤枝市のコシヒカリの田んぼの中で発見された突然変異種です。発見者は松下明弘さん、藤枝で有機農法による稲作を生業とする専業農家です。
これからご紹介するのは、松下さんがカミアカリを発見したときのお話です。
 
 
 
その日、松下さんは収穫時期を見極めるためにコシヒカリが栽培されている田圃に入り、稲の成熟具合を手にとって眺めていました。明日から稲刈りをしようと決めてトラックに戻ろうとしたその時、視界の隅に気になる一株の稲を捕らえました。その株をよく見ると17あった稲穂の中の6つの穂が他とは異なっています。夕日に透かして見てみると普通の籾とは光の透け方が異なることに気づいたのです。一粒の籾を剥いてその米粒を見ると胚芽部分が通常の3倍から4倍の大きさでした。巨大胚芽の突然変異です。
 
 
そこから、後にカミアカリと命名されることになる巨大胚芽米の育種が始まりました。品種登録出願前のこの米のコードネームはKH (KyodaiHaiga)。KHは稲育種の専門化らの意見を聞きながら系統選別を繰り返し5つのKH(KH1〜5)が生まれました。その中から食味試験を行い、もっとも評価の高かったKH1を新品種として農水省に登録出願しました。2005年(平成17年)6月30日に登録出願を受理されたことを受けて翌年2006年7月15日静岡新聞紙面にて発表、2008年(平成20年)3月6日新品種として登録されました。
 
 
昔のモーターサイクルのようなコードネームKH1は「カミアカリ」と命名されました。この名前には、その発見のエピソードがイメージされています。「稲のカミさまが稲オタク松下明弘に、天から一条の光明でこの稲を指し示した・・・」。 「アカリ」には松下明弘さんの名前、「明」の意味も含まれています。こうして発見から10年後の2008年、巨大胚芽米カミアカリは正式に世の中に紹介されることになったのです。
 
 
 
 
 
 
カミアカリドリーム勉強会とは・・・
 

カミアカリを育て、守り、食べていくために2007年6月に結成されたのがこの勉強会です。作る人(生産)、商う人(流通)、食べる人(消費者)が一緒になってカミアカリという類まれな穀物の可能性を生み出していこうという目的で集まった仲間たちです。ひとつの品種を百年作り続けることが難しいなかで、品種としての価値を紡ぎながら「百年続く品種」を目指して活動しています。

 
カミアカリはその巨大な胚芽ゆえに玄米で食べることを宿命付けられた品種ですから、作る人にも商う人にも、また食べる人にもそれなりの技や意識が求められます。カミアカリはいわゆる「普通の米」ではありません。でも、だからこそ「米とはなんぞや?」という意識を私たちに芽生えさせ、それがひいては「作ること」=農、「商うこと」=経済、「食べること」=生、について考えるきっかけになりました。またこうしたことを意識できるような人々にバトンを渡すようにして託していくことで、健全にその価値が紡がれていくと私たちは考えています。そして今カミアカリに関わってくれている担い手を育てるために、カミアカリを考える機会、体感する機会、交流する機会、を設けることにしました。それが年3回行われる3つのプログラムです。
 

 

・講座(7月)
・ツーリズム(8月)
・交流(11月)
 

「講座」ではカミアカリを「植物」「食物」「文化」という切り口で考えていきます。「ツーリズム」では現在4ヶ所あるカミアカリ栽培地を訪ね風土と人、文化をまるごと体
感します。「交流」では、収穫祭やワークショップなど担い手たちと交流しながらカミアカリを体験します。
カミアカリを育て、守り、食べていくために、カミアカリドリーム勉強会はこのような活動を続けています。
 
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