水田ってすごいぞ。
田んぼには水があるんだ。
今年田植えするすべての苗を眺めながら、どちらともなく東北の田んぼの話しになった。
知識も見識もないのに放射線や放射能の話しをしても結論なんて出ないのに、
多くの人たち同様、ボクらもいつの間にかその話題になった。
何の根拠もないけど田んぼを信じている。
松下も、そしてこのボクも。
けっして侮ることはないけど過剰にに怖がることもしない。
悲観でもなく楽観でもないスタンスでいるにはただ学ぶほかあるまい。
それに1963年生まれ、鉄腕アトムに育てられたボクらは、
このことに何らかの道筋を見出さなきゃならない責任がある気がする。
知らないままに人生を終えるより、苦しいけれど知ることができたことはむしろ良かったと思いたい。
だからちゃんと向き合っていこうと思うのだ。
じゃあまたな。
午後から出かける松下とそこで別れまた田んぼを歩いた。
定点観測地を一枚一枚。
足裏に感じるふんわりとしたあの心地いい感触。
春草はすでに鋤きこまれ殺風景だけど彼らが作り松下が整えたこの感触。
水を漏らさぬように畦を打つ。
表層を薄く耕起する。
高低差ができないようにひたすら平らをとる。
水の出入り口を修理する。
こういうことを毎年休まずやっていることに自信と誇りをもちたい。
きっと今頃、田んぼには水があるだろうな。
これから一ヶ月、松下は田植えだ。
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画像上:あさひの夢の田んぼ。雨が降ってきた。
画像中:たっぷりの雨で苗場はプール。
画像下:春草はすべて鋤きこまれた。