藤枝田んぼラリー

2022/7/29 19:19 投稿者:  ankome

 

昨年、友人から譲り受けた原付バイクが楽しく、田んぼ通いと称してツーリングを楽しんでいる。7月24日、そろそろカミアカリも出穂直前かと思い藤枝の松下さんの田んぼへ朝から出掛けてみた。

国道1号線を旧道を絡めてトコトコ走る。三本ある宇津ノ谷トンネル、今日のルートは大正トンネルで峠越えて藤枝へ。旧東海道の松林を眺めつつ左に入って、道なりにうねうね行けば、通称「学校前」と呼んでいるカミアカリの田んぼだ。残念ながら出穂にはまだ早かったが、茎は膨らみ来週くらいには出穂が始まりそうという状態であった。

真ん中、草が生えちゃった。あそこだけジャンボタニシが減ったのが原因だ・・・

松下さんが言ってたとおり、6枚ある学校前田んぼの真ん中一枚だけ草にやられていた。学校前田んぼは、毎年完璧に草を抑えている田んぼで、これまで「視察と言えばこの田んぼ」というくらい、多くの見学者が訪れていた自慢の田んぼだったが、今年は異変が起きたのだ。前回の「アイガモロボ登場」でも触れたが、松下さんの雑草対策とは、敵であったジャンボタニシの食害を前提とした戦略、つまり「肉を切らせて骨を切る」方式。あえて敵を利用することで実を取るをしてきた。ところが、その肝心のジャンボタニシが減少に転じたことで、戦略そのものを見直さなければならない状況になりつつあるのだ。その新たな戦略の担い手のひとつがアイガモロボだった。しかし6月の実証実験の結果、簡単には通用せずいくつかの工夫が必要だという。アイガモロボの活躍が最大化するために、代掻きの回数やタイミングなど、本格的な実戦運用にはまだまだ時間がかかりそうだ。

学校前の次は、通称「新幹線の田んぼ」。ここでは作付け2年目の「ハツシモ」を栽培している。大粒でさっぱりとした食感、後から湧いてくる深い味わいは、料理人をはじめとした玄人好みの米。アンコメが長年追い求めてきたお米だ。初年度はなかなか神経質な仕上がりで、炊飯のストライクゾーンがたいへん狭く、正直言って一般受けするお米ではなかった。経験上、どんな稲品種も馴染むまでには少なくとも3年は掛かる。とくにハツシモは長い目で作り込もうと覚悟して始めた品種。急がずじっくりと付き合いながら真価を見極めていくしかない。

海風に吹かれ田園地帯をトコトコ南下、夏の海沿いの田舎道はじつに快適で楽しい夏のひとときを味わうことのできた一日であった。(おわり)
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画像上:ハツシモは今年2年目、松下さんの田んぼと農法に馴染むには、もう少し掛かるかな?
画像中:学校前のカミアカリ。その中の一枚で草が抑えられなかった。ジャンボタニシの急減が原因という。
画像下:用宗海岸。先週見に行ったカミアカリの田んぼがある南伊豆の山々がうっすら見えた。