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親和性。
親和性。

 

親和性。 

親しみ結びやすい性質。ある生体組織が特定の色素と結びつく傾向。
広辞苑第五版にはこのようにある。

 

今日は思い立って掛川へ行った。
キウイフルーツカントリーJapanで開かれた「2010年度キウイフルーツ研究発表会」である。
園主平野さんのキウイ研究は36年間にも及び、その間様々な新種が生まれきた。
そのどれもが個性に溢れ、しかも美味で忘れられない魅力を持っている。
しかしそれは氷山の一角であって、その舞台裏では世に出ることのなかった多くの失敗作(?)もある。
今日はそんな裏側を公開しながら、キウイ育種の真相を語る会となった。


準備されたキウイは数年の時間を経て今年はじめて結実した21種、
その中にはたった一つしか実らなかったものや驚くほど糖度の高いもの、そのまた逆もあった。

話しの中でピンとくるキーワードがあった。
それが「親和性」。
タイプの異なるキウイ同士をかけ合せる。その結果として実が生る。
その実の状態を見て、親和性が良いか?そうでないか?を判断するという。
具体的には、種の出来かたやその色やツヤが判断の基準となるそうである。

 

この親和性、話しを聞いているうちにいろいろな分野について喩え話のように聞こえた。
つまり人と人の関係性のことだ。
人と人が関わりながら生まれる様々な現象、例えば仕事について云えば、その結果見てみると、
親和性が良かったのか?そうでなかったのか?かが見えてくる。
種の出来かたやその色やツヤ。思い当たることがあるな。

 

なぜ種の出来かたやその色やツヤが判断の基準になるかといえば、
それは次の世代にその結果を受け継ぐことができるかどうかがかかっているからだという。
できうる限り継続的に仕事をすること。
また願いや夢の実現には、世代を越えて受け継いで行かなければならないこともある。
そのためにはそれを実行する者たち、受け継ぐ者たちの親和性が重要にちがいない。

 

思い立って行ってよかった。
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画像上:園内
画像中:21種のうちの1種。かわいい。
画像下:偶然ヤギの出産を見た。

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Elton John - Empty Sky

 

2010年12月05日 [ 3935hit ]
師走第一週末。
師走第一週末。

 

9月から年末までは気の休まらない日が続くのは毎年恒例。
そのなんともいえない気分は年々重くなるいっぽうだ。
今年はとくにそんな感じ。
それでも今日、ひと段落がついてホッとしているところ。

 

アンコメはもちろん、カミアカリドリーム勉強会をはじめ僕の周辺は急速にざわざわし始めている。
それはうれしい予兆ではあるのだが、それらのことをきちんとやるには勇気と根気、
両方が必要だと実感している。
しかも今までの自分が思っていた以上の質と量が必要なのだと思っている。

 

先日ある人に、「足るを知ることも大事ですよ・・・」と言われた。
素直にそのとおりだと思った。だけど少し腑に落ちないまま、その感覚を数日、机の隅に置くように眺めていたら気づいた。

 

「攻めるだけ攻めてみないと緩めるべき、いい感じの頃合いが計れない・・・」。

 

攻めてもいないのに足るを知るのは早い。
何もないところから、何かを生み出す仕事なのだから、そもそも計るべき物差しがない。
物差しそのものを自分で作らなくちゃいけないのだ。
限界近くまでやってみて、「ああこれ以上攻めたらダメだなダサいな・・・」と、はじめて知る。
そこでようやく物差しが生まれ、それによって「足るを知る」いい感じがわかるのだ。と思う。

 

まあ、僕がそこまで攻めているのかどうなのか?はなはだ自信はないのだけれどね。
まあ夢中になれている状態はじつに心地よいのだから、この感覚は続いていくのだろうと思う。
いい感じの頃合いが計れる人になりたいと、いつも願っている。
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写真描写のように聞こえます。
Cassandra Wilson -Time after time

 

2010年12月04日 [ 3474hit ]
読本光景。
読本光景。

 

二晩かけて一冊の本を読んだ。
ページ数は128頁。

 

誰しもがそうだと思うが、本を読むと自然に光景が浮かぶ。
その光景に浸りながら文字を追っていく。
それが気持ち良いから本を読むのだと思う。

 

じつはこの本を読んでる時からその光景をどこかで見たことのあるなと少し気になっていた。
そこで、本棚にある画集や図録を眺めていてそれが何の光景なのかがわかった。

 

アンドリューワイエス。
ヘルガだ。

 

はじめて見たのはかれこれ20年以上前のこと。
概念重視の美術に夢中だった当時の自分には衝撃だった。
あの頃かな、少し変わり始めたのは?

 

さてともう一度拾い読みでもしようかな。
日本酒でもいただきながら。
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Bill Evans - I love you, Porgy
 

画像:用宗海岸にて

2010年12月02日 [ 3427hit ]
行商雑感。
行商雑感。

 

アンコメはその売上の7割近くをいわゆるルートセールス、行商しているわけです。
軽トラックやバンに商品を積んで、電話やネットなどで注文のあったお客様以外にも顔を出す。
つまり御用聞きしながら販売する形を日々やっています。
その仕事は、お客様と会話しながら進めていくわけで、
押し売りにならないように、つかず離れず、ちょうどいい間合いをとりながら商うわけです。
言葉にすると、これっぽっちですが、この仕事はなかなか深い仕事だと思ってます。

 

勇気を出して、「今日はこんなものあるんですけどいかがですか?」と声を出す。
それも機械的でなく、自分の声で話しかける。
もちろんなかなか上手くいくことはない。
でも、少し我慢して工夫しているうちにコツがつかめる。
そして上手くできることを知る。
モノを売って喜ぶのは僕等なのだけど
いつしかお客さんが喜んでモノを買ってくれる状態が生まれる。

 

行商とは、それを肌で感じること。
つまり、商うこと、稼ぐことの意味を体で知る。
またその稼いだお金をどのように生きたお金として使うか?
そういうことを、あの小さな軽トラックのキャビンで一日中体で味わい過ごすわけです。

 

僕は昨日、スタッフに代わり久々に一日中かつてのように軽バンに乗り行商をした。
久々に会うお客さんと青空の下、世間話をし、笑って、商った。
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Keith Jarrett - Somewhere Over the Rainbow

2010年12月02日 [ 3600hit ]
尊敬する大先輩たち。
尊敬する大先輩たち。

 

農と食のつながり。
まあ今はよく聞くキーワードだよね。
ただしつながることでビジネスになればそれでいい。という単純なものではない。と思っている。
オルタナティブな何かを見つけなきゃいけない。

 

今日、僕の尊敬する方が来られた。お買い物にね。
今年7月、その方のレストランで、これまた尊敬している大先輩と食事をした。
スーパースターたちと共にする晩餐のなんと緊張したことか・・・。

 

その時に、その方のこれまでのことをゆっくり聞くことができた。
そこでちょっと感動した。
今、僕が求め続けていることを、あのバブル前夜にすでにやっていたことにね。
それはマジ凄いことで、よくもあの時代にイメージし実行できたとつくづく感心する。
そして、いまだに僕の手が届かないはるか先を歩んでることに喝采するのだ。

 

できるかぎり、ちゃんとやろう」。
つまり、そう思ったですよ。今宵は。
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サンディエゴのYMCAのテレビでライヴを見たっけな。思い出した。
Eric Clapton - Wonderful tonight


画像:山形内陸。来年も旅するはずだな。

2010年11月29日 [ 3546hit ]
海岸流浪
海岸流浪

 

午後から念願の海へ。
西からの季節風に吹かれながら3時間ほどうろうろ。
肩にカメラ、ポケットに本、いつもの装備で。

 

安倍川の河口界隈は高校生のころからよく通っているところ。
とりたてて何があるわけではないその感じが良いと思っている。

歩くのに飽きると、ポケットの中から単行本を出して拾い読み。
それが飽きるとまた歩きはじめて、気が向くとシャッターを切る。
ちょっと疲れたらベンチに座って本を読み昼寝。
目的も行き先もなく、ただうろうろするのだ。

 

今日は石と石ころを見た。
誰かが意図的に立てたと思われる白い角柱。それと拾うともなく手にした小石2つ。
「ああこれは、ウリムとトムミムだったりして・・・」なんてことを思ったり、
まあそんな日曜の午後を過ごしたわけです。

 

明日からはいよいよ年末モード。
今年の12月はどんな風が吹くのか?
ケセラセラ。
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Cassandra Wilson - Sky and sea
 

2010年11月28日 [ 3587hit ]
新聞記者。
新聞記者。

 

先週の木曜日、取材依頼を受け、翌日の午後に記者がやってきた。
聞けば、静岡支局の方ではなく、東京から新幹線に乗ってやってきた。

 

「なんでわざわざ静岡に?アンコメに?」と訊ねると、
その記者曰く、「東京だけでは・・・」とのこと。

そこで、「どうやってアンコメを見つけたの?」と聞くと、
ネット上で誰かかが書いた記事を見、ウェブサイトにたどり着き、ピンと来たとのことだった。
そこで、僕は聞いたんです。

 

「何を知りたいの?アンコメは云わばサブカルチャーですよ。メインストリームのことは全然知らないし、じつはあまり興味がない。触れているところだけの話しができないけど、それでいい?」

 

その記者は、それでいいと云った。
そして僕は、質問に対して話しがあっちこっちに逸れながらもゆるゆると自分の考えをお話しした。

はじめて会う人だったけど、なぜかリズム合った。
米屋のホームページとしては、かなりイカレたこのサイトを熟読してきたというその人の嗅覚を信じた。

 

今日その人から明日の新聞に載るとの電話があった。
電話を切る時、「これはプロローグですから・・・」とその人は云っていた。


そう云えば、同じことをある人からも云われたことを思い出した。

明日の朝、どんな顔して読むんだろか?僕は。

 

明日掲載される新聞は朝日新聞。生活面だそうです。よかったら見てください。
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たまたま、かかってただけ。
James Taylor - Fire and Rain

 

 

2010年11月27日 [ 3366hit ]
我束間閃。
我束間閃。

 

できごとの意味を考えるのが好きで、
深夜になると、突然ひらめいてとりあえずPCに書きとめる。
筆が走る。いやキーボードが鳴る。

 

昨晩も25時にひらめいて30分後にはちょっとした文章を書き上げた。
眠くなると、どこかのスイッチが入るらしい。
内容は、じつにたわいもないことなのだけど、
腑に落ちる感じがあった。

 

たいていは、そういうひらめきは、朝起きて読み直してみると、
たんなる思いつきにすぎなくて、「ああつまんね〜な〜」なんて結果で、
即ゴミ箱行きなのだが、昨晩のそれは、まんざらでもないと感じている。

 

そいつを確かめるには、しばらく時間が掛かりそうだけど
もしそれが僕の思うとおりだとしたら、
これまでずっと気になっていたことが少し解る。自分に説明できる。

 

ただそのひらめきは、一見するとまったく商いライクでない。
いや俯瞰してみれば、商いもまたその中に含まれているはずなんだった。
今宵もまたそんな時間がやってくるのかな。

まったくもって変なヤツだなと、自分でも思う。
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モ・ギレ・マー。ゲール語です。
Sting & The Chieftans - Mo Ghile Mear

2010年11月26日 [ 3759hit ]
焦るな。
焦るな。

 

同時に色んなことが起こるのは世の常。
うれしいことも、またあんまりうれしくないことも。
解決しなければならない問題を放置していた自分の問題でもあるから解決するほかない。

 

今日、配達で島田と藤枝へ行った時に蓬莱橋の横を通った。
真夏にカミアカリツーリズムで大汗かきながら渡ったことを思い出した。
あの旅の企画をしている時、親友のSは僕に言った。
「あなたのやってることは全部仕事なんでしょ!」ってね。
そのひと言で目が覚めた。
仕事とか、趣味とか、ライフワークとかそういうフォルダ分けすることがナンセンスだと思った。
なぜなら全部、米に関わることなんだから。

 

今、直近で解決しなければならないことは、スタッフ。
1月から一人退社し、もう一人がしばらく休職する。
その後釜を決めなくてはならない。
でも、誰でもいいわけじゃない。
しかるべき募集を出せば、すぐになんらかのリアクションが来るのは分かっている。
しかしだ。
そういう方法でなくても人が集まる何かを、アンコメは発信してきたはずだ。
自意識過剰かな・・・。
事実、今いるスタッフは皆そのようにして集まってきたからだ。
だから、攻める策もあるけれど、待つのも策かなとも思っている。
まあ、いざとなれば、今いるみんなで頑張れば、なんとかなるはずだから。

 

誰か面白いヤツ来ないかな。
僕はそういうヤツが現れる予感をずっと感じているんだけど。
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#4白樺が好きです。
Sibelius 5 pieces op.75,1,4,5

 

画像:大井川上空。

2010年11月25日 [ 3601hit ]
新嘗祭の一日。
新嘗祭の一日。

 

11月23日。今は勤労感謝の日と呼ばれているが、かつては新嘗祭と呼ばれてた。
今年一年の収穫に感謝する日。
とくに稲に関わる人にとっては今も大切にしたい日である。

 

僕はその日を友と過ごし、会話に興じ、笑った。
もちろん米の酒を飲みながら。
カミアカリの話しをたくさんした。
夢に描いていた風景の断片が少しだけ見えたことを、その仲間と共感した。
とても充実した素晴らしい一日だった。

 

今日のこの日は、きっと忘れられない日となる気がする。
それくらい嬉しい一日だった。
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今晩はこれを聴きながら眠る。
Elvis Costello - Alison

2010年11月24日 [ 3597hit ]
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