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私が思う理想的な玄米炊飯。

 

 

玄米は初めてなので炊き方を教えていただけますか?炊飯器が一昨年に故障してから、ステンレスの厚手鍋を使って炊いています。土鍋はありません・・・。というメールのご質問にこんな返信をした。

 
 
私としては、米粒の表皮をできるだけ破壊しないでそのままの姿で膨潤する炊飯方法を理想としています。
それは食感を含め、個々のお米の個性を感じたいからです。(とくにカミアカリにとっては)
しかし、玄米を食べる多くの方が私と同じ嗜好でなく、
人によっては「簡単で手間かけずに炊きたい・・・」というニーズもあろうかと思います。
そういう意味では「正しい方法」は玄米を食べる人の数だけある。と言えるのではないでしょうか?
 
では、私が思う理想的な炊飯方法をお伝えしますね。
ステンレスの厚手鍋で問題ありません。
というか鍋であれば素材を問わず何でも炊けますのでご安心ください。
ただし、鍋の素材によって火加減や炊くことができる量が変化するだけで、
玄米がα化(米デンプンが糊化する=ごはんになる)するルールはみな同じです。
 
<下準備>
1)浸漬時間 6〜7時間 →このお米のことを「浸漬米」と呼びます。
2)水加減(炊飯水の量)  浸漬米の重さ×1.3〜1.35 ※重量でコントロールします。
 
<炊飯>
1)8〜10分くらいで沸騰させます。
金属の鍋は熱伝導がいいので最初は弱火からはじめ徐々に強くしていく感じで火加減するといいです。
※早すぎるとアルデンテ、遅すぎるとお粥になります。沸騰までの到達時間が炊飯の肝なのです。
※沸騰するまでに鍋内の熱ムラをとるため、蓋を開け一度撹拌するとよりいいです。 
 
2)沸騰後
中弱火~中火にして沸騰を維持します。このまま煮ていきます。
20〜25分ほどすると、香ばしい香りや、鍋の中からブツブツ、プチプチという感じの小さな音がします。
ここで火を消します。
 
3)再加熱
消火後5分ほどしたらもう一度強火で20〜30秒ほど再加熱します。
 
4)蒸らし
15~20分ほど蒸らします。
 
5)撹拌
蒸らしが終わったら蓋をあけ、しゃもじで撹拌しご飯に空気に触れさ表面をコートします。
 
 
 
上記の炊飯方法は江戸時代中期に完成されたとされる羽釜による炊飯方法(炊き干し法)・・・
「はじめチョロチョロ、なかパッパ、ブツブツいうころ火をひいて、さいごにひとつかみの藁燃やし、赤子泣いても蓋とるな」
を踏襲し、現代風にチューニングした方法です。ご参考にしてください。
 
 
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画像:羽釜によるスイハニング(炊飯)@アンコメ
 
2013年08月17日 [ 5987hit ]
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