2006年5月から6月の2ヶ月間、FM静岡K−MIXの9:30からオンエアのキャラメルポケット「県人・賢人・ご意見人」(9:42〜9:48頃)で毎週月曜日にアンコメ店主が生出演した時にお話したこと、話し足りなかったことなどを毎回アップする予定です。
「お米を洗ったらお水に2時間浸ける」「2時間つけたら水を替えて炊飯!」
お米の美味しさ、ことに白飯ならではの澄んだ美味しさを100%発揮させるには、このひと手間、ふた手間がとっても大事なのです。どんなに良質なお米を買っても、いや良質なお米ほどその持ち味を100%発揮させるためには、ぜひやってほしい手間なのです。
お米を水に浸すことは、炊飯中に米粒の中心まで熱を伝えるためです。要するに水は熱を伝える媒体なのです。その水が米の中心に到達するためには、ある一定の時間が必要なのです。これは水温や米質によってかなり時間に幅がありますが、どんな季節でもどんな米質でも間違いのない時間が約2時間なのです。気温の高い夏には30分程度で良い米もありますが、じつは米粒の中ではたんに水が浸透していくだけでなく、水に触れることによって米粒の中の2種類のデンプン分解酵素(αアミラーゼ、βアミラーゼ)が活動を始めるのです。この酵素の活動によってお米がやわらかくなることはもちろん、そのお米が持っている甘みや旨みを引き出す作業をしてくれているのです。とくに品質の良いお米ほどその活性は活発だと言われています。
さて、こんなに良いことばかりのアミラーゼくんにも一つだけ問題があります。それはアミラーゼくんも活動すれば老廃物が出るのです。人間みたいですね。老廃物という表現はあまり適切ではありませんが、要するに2時間浸漬した水(浸漬水)の中には不純物が排出しています。また活性エネルギーは熱交換されていますから若干の水温上昇があります。そこでは細菌も繁殖しやすいのです。そこで水を捨てる作業(水切り)してほしいのです。これが「水を替えて炊飯!」の意味なのです。ただし、水切りは長くても5分程度まで、それ以上そのままにしておくと、お米がひび割れてしまいます。そうなったお米を炊くと「べちゃべちゃ」になってしまい、せっかくのアミラーゼくんの努力も台無しになってしまうのです。
ここまで書いて「こんなこと毎日できないよ〜」という声が聞こえてきます。そうですよね。こんなこと毎日できるわけありません。じつはアンコメ店主だって毎日やってるわけではありません。そこで提案です。週に一度、いや月に一度、暇な時に挑戦してみませんか?要するにたまにで良いのです。今、あなたが食べているお米の本当の味とは?あなたが使っている炊飯器のポテンシャルで炊ける最高のご飯とはどんなものなのか?を知ることが大事なのです。知っていてあえてサボる人生と、知らないままの人生、どちらの人生が楽しいか?あなたはどっち?
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