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6月8日号 総勢49人の大田植え体験会の巻

集まった皆さんもオドロイタが集めた本人もオドロイタ!なんと大人28人に子供21人、合計49人。松下×安米プロジェクト発足以来の大々企画となった2003田植え体験会は梅雨直前の晴天の中行われました。週間天気予報では雨もしくは雨のち曇りという最悪の予報にも関わらず、週末に近づけば近づくほど好天の予報に修正され、当日は文句なしの田植え日和。参加者皆さんの日ごろ行いどおり抜群の快晴、日焼けを心配したくなる贅沢な一日となりました。

今回は「田圃一枚すべて手植だ!」という松下くんの愛情のこもった指令のもと、大正時代から松下家に伝わる田植え定規という長さ4メートル位の木でできた道具に合わせ、ひとつひとつ手植えしていくのである。その作業の前に育苗箱から数十束の苗を剥ぎ取り、根についた土をバケツの中で水洗いする。洗った苗をこれから植えるであろう田圃のそこここに投げ入れる。これで準備万端、田植えのスタートである。経験者は数名、しかも100%手植え経験者は皆無にもかかわらず何とか一枚手植えしました。無事完了して全員でバンザイ三唱し松下くんにその出来ばえを評価してもらったら「まあ30点、大目にみて35点!」という評価に全員で大笑いで無事田植えは完了した。

大人達がやっとのことで手植えをしてる間、子供たちはといえば田植え機による田植え体験とは名ばかりの田植え機乗車体験会という様相。入れ替わり立ち代りで乗り込み、ワイワイガヤガヤと大笑いしながら広い田圃を往復している。その風景といったらなんとも無邪気でいい。田圃の中で泥んこになりながら笑ってる子供たちの笑顔は理屈抜きですばらしい。その笑顔を見た時、あらためてこのプロジェクトを企画してよかったと確信した。

<参加された方にこんなメッセージをいただきました。>

●昨年水生生物観察にご参加の岩堀さん

念願の松下さんちの田植えを体験しました。昨年、こういう体験ができることを知ったときには、ちょうどもう田植えが終わったばかり。来年こそは参加しようと決め、あれから一年、ワクワクしながら迎えた田植え体験でした。田んぼの泥に足を踏み入れるのは小学校のとき依頼、なんと30年ぶり!ヒルの襲撃に少しばかりびくびくしながらも、泥に足が吸い込まれていく感触は「ああ30年前のあの感触とおんなじだぁ」やわらかな泥に足が包まれた瞬間、僕の意識は30年前にタイムワープし、友達と夢中でやった泥んこ遊びの世界へ。ふと、現実に戻り、傍らの我が子はと言えば、なにやらもぞもぞした緑色の虫のようなものに夢中。 これがうわさの、ここでしか見られない(農薬を使っている田んぼでは絶対現れない)と言われる「幻の生物」―そう「豊年えび」だったのです。それも一匹や二匹じゃない、まさに「うじょうじょ」(これって方言でしたっけ?)いるのですから驚きです。
「奇跡の田んぼ体験」をさせてくださった松下さん、そして安東米店のスタッフの皆さん本当にありがとうございました。また今度、稲刈りを楽しみにしています!

●地元の民俗学に詳しい外立さん

宅地化が進んだ今では、一面の田んぼというわけにはいかないが、マキの木で囲まれた屋敷林を持つ旧家があちこちに見られ、ゆったりとしたかつての志太平野の趣が残っている。
遠州では、一面の水田地帯のことをトーモンとかトウモなどという呼び方をする。漢字を宛てると「田面」であろう。トーモンに水を張る時期になると、広大な青空が水面に映える様はまことに壮観であった。また面白いことに音がよく反響するようにもなるため、田んぼのど真ん中にいると、かなり遠くまで人の声が伝わるようだ。
現在のように水田の形が整備されるようになったのは、そう古いことではなく、昭和30〜40年代である。それ以前の田といえば、形が不ぞろいで大きさもまちまちであった。そのさまざまな大きさの田んぼを数えるのにはカマチという言葉があり、「ひとカマチ、ふたカマチ」などと数えた。体験会でも登場していた田植え定規はそういう田でも用いられてきた。しかし、不定形の田でこれを扱うことはむずかしく、定規を動かす両脇の人の腕とタイミングがものをいう。定規が届かなかった所をヒコといい、ヒコはメケン(目見当)で列を乱さぬように植えられた。
全国的に早場米を植えるようになった現在では田植え時期も早まり、関東や東北では5月の連休に、静岡県では5月下旬〜6月上旬に行うところが多いが、以前は夏至を目安に行った。志太地域では、夏至のことをチュウといい、6月22〜23日頃となる。これも自然の摂理とマッチしていて、ちょうど水まわりのよい梅雨どきなのである。広大な田すべてに水を確保することがどれだけ大変なことだったか、私は知らない。
>外立さんの寄稿文はコチラ


ご参加いただいた皆様、またこの企画の広報にご尽力いただいた関係者の皆様、田圃を快くご提供いただいた松下明弘さんこの場を借りてあらためて感謝申し上げます。

※6月29日(日)AM9:00〜AM11:00
松下さんの田んぼにて「水生生物観察会」を行います。田圃の生態系を学んだり、水生生物にご興味ある方はぜひご参加ください。珍しい「豊年エビ」も見るチャンスです。参加ご希望の方はお問い合わせください。

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レクチャー中

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苗洗い中

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田植え人

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田植え人

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志太田園

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バンザイ三唱

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ジャリ!

田圃の中のアートギャラリー
足元に投げ入れられた苗束である。苗束が飛ぶ放物線と着水する瞬間できた波紋が作る一瞬の造形が瞼に残る。
足元に投げ入れられた苗束である。苗束が飛ぶ放物線と着水する瞬間できた波紋が作る一瞬の造形が瞼に残る。
2003年01月27日 [ 3313hit ]
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