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夏、今だ続行中。

 9月になっても相変わらずの気温の高さ。観測史上記録と記憶に残る暑さという話しだからしかたがない。もっとも、この暑さが正月まで続くのならまだしも、そのうち必ず寒くなることは分かっているのだから、今はせいぜい、この暑さを「大いに楽しんでやろう」なんて強がってみてはどうだろうか。きっとまた月末には、「暑さ寒さも彼岸まで・・・昔の人はよく言ったもんだ・・・」と、言うのだから。

 

 9月の初日、月に2回の島田藤枝への配達の帰り道、松下圃場へ寄った。作業場の前にコンバインが出ていたので、「あ〜いよいよか・・・整備でもしてんのかな・・・」と思って近寄ってみたらラジオも鳴っていないし、もちろん本人の姿もない。しかたがないから周辺を探していたら、Tシャツと短パン姿の松下が母屋から緑茶のペットボトルを持って現れた。

 

 「たまんね〜な〜暑くて・・・これじゃ夕方まで仕事んなんねよ〜」。

 

 彼は今まさにシエステの最中だった。日陰に移動して冷えた緑茶で喉を潤しながら、稲の生長状況や、この間のカミアカリツーリズムのこと、他の生産家の米の出来具合など、いつものように話しに興じた。

 

 「じゃあ、田圃をひと通り見て回るか・・・」

 

 いつものコースで周辺に散らばっている田圃へ車で移動しながら見て回る。カミアカリ、ヒノヒカリ、あさひの夢、いただき・・・。どの圃場の稲も、一見して姿がいい。田植え時期の低温の影響か、分けつが増えなかったせいもあり、スカッとして見える。というわけで収量は、昨年に続き少ないと見た。たぶん反収は6俵台前半は間違いなさそうだ。


 心配ごとはもうひとつ、高温障害である。

 高温障害とは、夜温が高いことで稲が日中に作ったデンプンを、穂に蓄えることなく夜間の呼吸で消費されてしまうことで、米の成熟の低下や乳白になってしまう現象。

 こんなにも毎日、昼夜暑いから、休めるはずの深夜まで活発に活動してしまうことで、きっと高温障害が出ているだろうと、少なからず覚悟はしていたが、意外にもその兆候は、あまり見られなかったのには、正直安堵した。
 しかしここから収穫までの期間は、やはり夜温だけは下がってほしいと思うのは本音。水の管理などできることは何でもするのは当然だが、しばらく続くというこの暑さに対しては、稲の力を信じてただ祈るほかあるまい。

 

画像上:「あさひの夢」。コンディションはじつにいい。今年はやや背が低いが、姿がじつにいい。

画像中:奥の黄金色に見えるのがカミアカリ。松下が手にしているのは、あさひの夢。カミアカリは9月第2週から稲刈り。あさひの夢は、9月末の予定。いよいよだ。

画像下:おなじみの定点観測地。空の色が8月よりも若干濃く見える。空気中の水分が僅かに下がったためか。それでも例年に比べればはるかに暑い。33℃と車の外気温計が表示されていた。

 

2010年09月05日 [ 6351hit ]
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