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9月2日号 こうべを垂れる稲穂かなエピローグの巻
9月になったとたんスイッチを切り換えたかのように空気が秋へと変わった。オートバイに夢中だった十代後半、同じように一日にして秋になり、ものさみしく人けのない海岸線をTシャツ一枚で走った日のことをふと思い出した。四季のうつろいとは案外とうとつにやってくるものだと、その日以来思うようになった。

刈り入れまじかの日曜日、社長である父とともに田圃へ向った。2週間まえとはあきらかに風景がかわり、黄金色に色づいてきた稲穂に感激する小生にいつもながらクールに「3日で変わるさ!」と松下くん。考えてみれば日々田と暮らす彼にとっては2週間で変わる風景などあたりまえのこと、彼は日々の変化に感激しているのである。そんなすばらしい風景のもと作業道にこしかけ米談義がはじまった。

「よい米をどうつくるか?どう流通させるか?」そのためには・・・・・?。川上のつくるひとから川下の食べるひと、関わるひとすべての意識の向上がなくては日本の農の悪循環を断ち切ることはできない!(ヨッ!カッコイイ!)しかし精神のゆとりの減りかかった我々は、つい目先のわかりやすい数字を追っかけたり、すばやい答えを求めたがる。数字と時間に固執しすぎるのは現代社会の病にほかならない。

しかし農はそういった目先やこてさき的短いスパンで創造するのではなく世代をこえた長いスパンで創造するものだ。なぜなら米は一年一回だけつくる一年草。どんなエキスパートでも一生のうち現役でつくれるのは多くてもたった40から50回なのだから。米屋が田圃にまででかけ、銘産地でもないこの土地に世話をやくのは単なる物好きなのかもしれない。でも地元で専業でがんばる松下くんのような生産者にかかわることが農の好循環につながるような信念みたいなものがある・・・・・。

米談義というより決意表明じみたカッコのイイことをのたまわっているよこで、見計らったようにスズメがやってくる。足場のいいあぜ横の穂などは好き放題ねらわれ見るも無残になっている。生態系をなによりも重んずる松下農法でもスズメには閉口しているようだ。残り10日ほどでいよいよ刈り入れ次回はその様子をレポートします。

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新旧米談義

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スズメにやられることもある

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あと10日

こうべを垂れる
こうべを垂れる
2001年01月14日 [ 4029hit ]
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